「私は父の精神疾患を支えるヤングケアラーだった」シンガーソングライター・玉城ちはる「父の自殺、過酷な試練を乗り越えて」
旅の途中、決して裕福な生活をしている方ではなかったんですけど、おばちゃんが「あんた泊っていきな」って。私みたいな貧乏で苦労している人にやさしいんですよ。「私も大変なんだけどさ」って。温かかったです。いろんな人に助けられて17日間かけて東京へいきました。 そんな経験をしたおかげで、少々のことでは動じませんし、どこでも寝られます。ミカン箱の上で歌う現場でも歌えます(笑)。今、命の大切さを伝える講演「命の参観日」を全国で行っているのですが、その講演にもつながる人前で話す話術や世渡り術、生き抜く力が身につきましたね。
PROFILE 玉城ちはるさん たまき・ちはる。1980年4月19日生まれ。広島県出身。シンガーソングライター・家族相談士。24歳からアジア地域の留学生支援活動「ホストマザー」を10年間継続。36名の留学生を送り出し、その「ホストマザー」の経験を生かし現在アーティスト活動の傍ら全国の小中学校・高校・大学を廻り「命の参観日」という講演を行っている。広島安田女子大学にて非常勤講師も務めている。 取材・文/加藤文惠 写真提供/玉城ちはる
加藤文惠