地方出身の友人に「子供部屋おばさん上等!」と背中を押され…会社員との年金格差に愕然とした40歳中年女性が「やっぱり実家に住み続けよう」と思ったワケ【社労士の助言】
両親の介護費用の負担も…
Aさんは親の介護についても考えておかなければなりません。介護に関しては、まずは介護保険制度について調べておくこと。また、近くにある地域包括支援センターをピックアップしておき、困ったことがあったらすぐに相談することが重要です。 地域包括支援センターを上手に活用することで介護に対する備えをすることができます。前もって介護について考えておくことで、実際に介護が必要な状態になっても慌てることなく対応できるでしょう。心身の負担も軽減されるはずです。介護費用についての相場を知っておくことも必要です。 生命保険文化センターが行った調査によると、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の合計は平均74万円、月々の費用は平均8.3万円となっています。介護はいつか終わりを迎えますが、Aさんの生活は続きます。 介護費用については基本的に親の年金や預貯金で対応してもらうよう、今から話をしておくことが重要です。しかし、親の財産状況によってはAさんに介護費用の負担が生じるかもしれません。早めに親の年金額や財産を把握しておきましょう。なお、同調査によると、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均61.1カ月(5年1カ月)となっています。 Aさんはフリーランスの不安定さや老後の年金、親の介護のことなどを考えて、このまま実家に居続けようと決めました。また、Aさんの学生時代の友人に話すと、「都内に実家があるのは羨ましい。私は地方出身で都内にマンションを買ったけれど、住宅ローンのことを考えると憂鬱。せっかく都内に実家があって両親とも関係が良いのであれば実家に住み続けるのもいいんじゃない? 子供部屋おばさん上等じゃない!」と背中を押されました。 FPに実家に住み続けることを伝えると、実家に住み続けるにあたり、住まいの終活についても今から考えておいた方がいいとアドバイスを受けました。築30年以上経っているとはいえ、小さい頃から住んでいて愛着のある我が家。ちょこちょこと修繕しながら大事に住んでいこうと思いました。老後の生活資金、親の介護費用、実家のリフォーム代。まだまだ頑張って働くぞと思ったAさんでした。 角村 俊一 角村FP社労士事務所代表・CFP
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