坂本花織、フリー『シカゴ』の超ハードプログラムも最後まで貫き通す!「チェンジ」をテーマに全日本選手権4連覇へ
12月20日から開幕する全日本フィギュアスケート選手権。 去年、この全日本選手権と世界選手権でダブル3連覇を達成したのが、坂本花織(24)だ。 【写真を見る】全日本のキスクラに飾られるボードに坂本花織が書いたメッセージは… 今季はここまでGPシリーズ2戦ともに制覇し、進出したGPファイナルでは連覇を逃してしまったが3位に。 「結果にこだわらない」と言い放つ絶対女王・坂本が今季テーマに掲げるのは「CHANGE」。前人未到の大偉業を成し遂げたにも関わらず、坂本はさらなる変化を求めている。 2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を集大成に見据える彼女の“今”に迫った。
ミラノ五輪が集大成
「どの大会に行ってもやっぱり勝って当たり前だと思われるのが、すごく大変なのは大変。ですが、それに打ち克ってこそだと思っている。自分の気持ちを鼓舞してやっていけば、メダルを狙えるかなと思っています」 2018年の平昌五輪で6位入賞、2022年の北京五輪で銅メダルを獲得した坂本。 「自分自身にとっても集大成の場であると思います。本当に悔いなくそのシーズンを迎えられるように、今シーズンの世界選手権まで大事になってくるので、しっかり積み重ねて、オリンピックシーズンは思うままに滑ることができたら」 坂本は1年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を“集大成”に見据え、五輪のプレシーズンとなる今季のテーマを「CHANGE」と掲げている。 「変える必要もないとも思いつつ。全部攻めの姿勢で行く!いろいろ自分の中で乗り越えたいところをあえて選んで今やっているところです」 昨季は、前人未到の全日本選手権と世界選手権のダブル3連覇を達成。“絶対女王”に君臨してもなお、変革を求めている。
坂本が掲げるチェンジの一つ
そんな坂本が掲げる「CHANGE」の一つが、ジャンプ構成の変更だ。 3回転ルッツを2本に変更し、ダブルアクセル+シングルオイラー+3回転サルコウの新しい3連続ジャンプを投入。回転不足が取られやすく難しいとされるルッツジャンプをあえて増やした理由について、坂本はこう語る。 「今までコンビネーションで3回転トゥループとフリップで2種類2回でした。やっぱり基礎点をもうちょっと上げたいなと思って。この構成でマックスな演技を何シーズンもやってきたから、少し変えたいなっていうのもありました」 しかし、今シーズン初めは、その構成がうまくハマらず悔しい思いもした。 初戦ロンバルディア杯では3位、続くGPスケートカナダはフリーでジャンプを2回転倒するなど、ミスが続く。 それでも坂本は、一度決めたことは譲らない。 「『他のコンビネーションに変えたら』とかいろいろ言われるけど、でも自分がやるって決めたので。何が何でも貫き通さないと、という気持ちがあります。『成功するまでは一度、これでやらせて!』と言ってやっています」 その強い思いが実を結び、11月のNHK杯ではフリーで圧巻のノーミス演技を披露。今季、世界最高得点となる152.95点をマークした。 「1試合ごとに課題が見えてきて、やっとNHK杯で今の自分のベストの演技が出せた。そこでやっと、このプログラムになじんできたなという感覚があります。もう少しレベルアップしないといけないと思って、NHK杯の時から構成をちょっと上げて今やっています」 点数の上がる後半に3回転―3回転のコンビネーションジャンプを投入したという。進化し続ける坂本は、さらに構成をレベルアップし全日本に挑む。