降格人事で年収が「100万円」ダウン…。会社のために尽くしてきたのに、この処置は「仕方ない」のでしょうか?
降格人事により年収が下がることは、労働者にとって大きな痛手になるはずです。 「会社が決めたことなので仕方ない」と受け入れてしまう前に、その人事が適切に行われたものなのかを確認したほうがよいでしょう。 本記事では、降格人事の概要や理由として認められる事項をはじめ、降格人事で違法となるケースについてもご紹介します。
降格人事とは?
降格人事とは、対象となる社員の役職や職位を上位から下位へ引き下げる人事のことをいいます。それに伴い給与が減額される場合もあります。 降格人事が行われる理由にはさまざまなものがありますが、社内規則に違反した場合や勤務態度が怠慢な場合などに対象となる可能性があるでしょう。降格人事は会社が人事権や懲戒権に基づいて発動できるものなので、基本的に社員はその対応に従わなければなりません。 しかし、極端な降格や減給などは人事権や懲戒権の乱用にあたり、違法と判断されるケースもあるため、降格人事の対象となった社員はしっかりと確認する必要があります。
降格人事で違法となるケースとは?
降格人事で違法となる可能性があるのは、会社が行った降格人事が「権利乱用」と判断された場合です。労働契約法第3条5項では「労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない」としています。 また、同法第15条には「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」と定められています。 つまり、降格人事に対して誰が見ても納得できるような理由や根拠がない場合は、降格人事は認められないと判断できる可能性があるということです。そのため、不当な減給に関しては、必ずしも従う必要はないといえます。