「入ってほしい業界から入りたい業界へ」プロフェッショナルな職人が多数在籍! 広島県の福井建設株式会社・福井代表が見据える建設業界の未来
◆現場の声を大手ゼネコンに届ける
田久保:僕たちクラフトバンクと福井建設株式会社さんが初めてお会いしたのは、CCA(一般社団法人 地域建設業新未来研究会)でした。CCAに入られているのは、地域をまたいで先進的な取り組みをしているいろんな会社さんと意見交換するのが目的でしょうか? 福井:明確に2つ理由があります。自分たちはCCAのなかでも異色なんですよ。我々以外にも何社かいるんですけど、うちほど専門工事業を表に出してやっているところはないんですよね。 小さい会社もあれば、すごく大きいゼネコンさんもいらっしゃいますから、どういった形でやっておられるのか、勉強のために行っているのがまず1つです。 もう1つは、うちがやっている建設系職業訓練校「広島建設アカデミー」の説明に行っています。 田久保:そうなんですね! 福井:「職人は育てるべきですし、それは地域でやるべきだと思います」という説明をしたんですけども、それ以降みなさんと気が合ったというか。 僕は今、建専連(建設産業専門団体中国地区連合会)とかとびの団体の役員をさせてもらっているんですけども、そこでもいろんな話をしながら、「専門工事業者は今こんなことを考えているんですよ」と伝えています。 「職人レベルではこんなことを考えていて、こうしてほしいんです」というのを、各地域の特色あるトップクラスのゼネコンさんに少しでも理解してほしい、という思いからCCAに入っているのもあります。 田久保:橋渡しをされているんですね。
◆街と人の笑顔を作る仕事が建設業
中辻:福井さんが思う建設業の魅力はどんなところでしょうか? 福井:我々の商売って、どの国にも間違いなくあるんですよね。街をつくり、住むところをつくり、そこに人々が生活する。それだけはなく、たとえば街のシンボルを作れば待ち合わせ場所になったりしますし、そこには人々の笑顔が生まれるじゃないですか。 街のかたちや人の笑顔をつくれる商売ですし、それに携わった人間にとって誇りになるわけです。我々の仕事というのは、たぶんつくった人間の名前は残らないんですよ。だけど、つくった人間にとっては小さな誇りとなり、自分の胸にどんどん刻まれていくんです。 田久保:なるほど。 福井:街のシンボルとか、後世に残るものに携われるというのは非常に嬉しいことです。実際に関わることができた我が社の社員たちにとっても大きな自信になっていますし、「あれは自分たちが作った」と言えるのは、我々の業界のいいところだと思いますね。 中辻:当たり前にある建物にはそれを作ってくれた人がいるって改めて感じますね。