「入ってほしい業界から入りたい業界へ」プロフェッショナルな職人が多数在籍! 広島県の福井建設株式会社・福井代表が見据える建設業界の未来
◆経営方針を大きく変えたオイルショック
田久保:創業されて100年近く経たれていると思うのですが、どのタイミングで大きくなられたのでしょうか? 福井:僕の父の代ですね。自社で企業内訓練校を始めて、若い子を入れ始めていた時期があったんですけど、ちょうどオイルショックがあったんですよ。 それで仕事がなくなって、せっかく入った子を辞めさせないといけないことになって。そんなことをするぐらいなら……ということで海外工事を始めたんです。 田久保:へええ! 福井:会社の人間が外国人を管理するために直接海外に出向きました。当時は中近東が多くて、その後はアフリカと東南アジアに。その頃の社員はほとんど全員海外経験者でしたね。 そのタイミングで社員が続々と増えていって、僕が継いだときには250人ぐらいいました。社員が150人、直接雇用の職人が100人、職人のうち30人ぐらいが外国人でしたね。 田久保:そうなんですね。いわゆる技能実習生の制度が始まる前ですか? 福井:技能実習生がまだ1年しかいられない頃からやっていました。 田久保:そこから今も70名もいらっしゃるなんてすごいことですね。
◆時代を先取りしてIT化を推進
田久保:福井建設さんのDXやデジタル化への取り組みはどういったものでしょうか? 福井:うちは専門工事業のなかでも、比較的人数も職種も多いんです。僕が会社を継いだのは1995年なんですけど、たしか1年か2年目の頃だったと思います。 当時は広島に本社がありながら広島支店もありまして、広島、山口、岡山、山陰の全社に社内LANをつなぎました。 田久保:ええ~! 福井:当時の専門工事業から見ると、そういうことを他でやっている会社は知っている限り1社か2社ぐらいしかなかったです。パソコンの導入は早かったですね。 田久保:なぜ導入されようと思ったんですか? 福井:職種も多岐にわたって工事量も相当あったので、日々の現場の管理やお金の流れを正確に把握したかったからです。 田久保:拠点をLANでつないで、毎日の収支を見えるようにする取り組みは、どこから着想を得たのですか? 福井:うちの社内の管理系の人間から提案がありました。 田久保:まさに僕たちがやっていることがそういうことでして。使っているものはクラウドとかスマホですけども、複数の拠点の進捗とか数字を見えるようにしているんですね。まさか30年前にやられているなんて思いませんでした(笑)。 中辻:時代を先取りしていますよね。 福井:そうですね。うちの社員はパソコンを持つのが当たり前になっているので、IT化とかいろんなことに抵抗はないと思います。