【エリザベス女王杯】スタニングローズ2年ぶりG1制覇、世界の腕と陣営の思いが結実
<エリザベス女王杯>◇10日=京都◇G1◇芝2200メートル◇3歳上牝◇出走17頭 クリスチャンで返り咲き! 3番人気のスタニングローズ(牝5、高野)が22年秋華賞以来、約2年ぶりの白星で2つ目のG1タイトルを手にした。好位追走から早め先頭の積極的なレース運びで、そのまま押し切った。 勝ち時計はレースレコードの2分11秒1。初コンビのクリスチャン・デムーロ騎手(32)は、22年同レース以来のJRA・G1・5勝目となった。 ◇ ◇ ◇ 世界的名手に導かれ、秋華賞馬スタニングローズが復活の花びらを広げた。分厚い雲がターフを覆った最後の直線。初コンビのC・デムーロ騎手は好位追走から、早め先頭のレースを選んだ。「4コーナーは少し早い仕掛けになったけど、人気馬が後ろからくることも分かっていた。手応えも良かったので、ロングスパートをかけた」。馬場のど真ん中から豪快に突き抜け、スタンドに向けて立てた左手の人さし指で喜びを表現した。 期する思いがあった。今回は2年ぶりとなる日本での短期免許取得。昨年は制裁点の超過で、申請することができなかった。さらに、世界を股にかけながらも今年はここまでG1未勝利。「今回はG1を勝つために日本へ来た。今年はG1では2着が多かったりふがいなかったので、勝ててうれしい」。阪神開催の22年エリザベス女王杯(ジェラルディーナ)以来2年ぶりのJRA・G1制覇を喜んだ。 スタニングローズにとっても、待望の勝利だ。3歳の秋華賞以来、約2年も白星から遠ざかっていた。それでも高野師は馬を信じ、復活を待っていた。「結果はもどかしいが、もっとやれていいと思う。人が力を入れ過ぎずに淡々と向き合って、いい結果を待ちたい」。その思いが、愛馬をよみがえらせた。レースを見守った小川陽助手は「3歳の頃から高い完成度をずっとキープしてくれていた。ようやく調教のパフォーマンスが、レースに結びついてくれた」と胸をなで下ろした。 所有するサンデーレーシングの規定では来年3月が引退の期限となる。同助手は「残る期間は短いけど、その中で1つ、2つと勝っていけたら」。C・デムーロ騎手も「まだ1、2回といいレースができると思う」と期待をかけた。鞍上はマイルCSも高野厩舎のナミュールで参戦予定で、年末は有馬記念まで騎乗する。「これからも多く勝ちたい」。その手腕で、まだまだ日本のファンを魅了していく。【奥田隼人】 ◆スタニングローズ ▽父 キングカメハメハ▽母ローザブランカ(クロフネ)▽牝5▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 高野友和(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 17戦6勝▽総獲得賞金 4億2621万6000円▽主な勝ち鞍 22年フラワーC(G3)紫苑S(G3)秋華賞(G1)▽馬名の由来 魅力的なバラ