世帯年収「500万円」で私立中学への進学は無謀でしょうか?エスカレーター式で大学まで行くと学費の負担が大きいですよね…
小学校から中学校に進学する際、公立に進むか、私立に進むかは重要なポイントでしょう。私立の学校は特色のある教育を受けられる点が魅力ですが、公立よりも学費が高い傾向にある点がネックになるかもしれません。 まして内部進学制度がある中学校の場合、順当に進級すれば、高校、大学も私立に通うことになるでしょう。教育費は世帯年収の1割程度が目安のようですが、なかには「わが家の年収で通わせられるだろうか」と不安な親もいるのではないでしょうか。 そこで今回は「世帯年収500万円」を例に、次の2点を解説します。 ・私立中学校に進学した場合の費用 ・大学まで私立に通った場合の費用 ▼私立高校の「実質無償化」は年収いくらで対象になる? 支給金額とあわせて解説
私立中学校3年間の平均学費は約430万円
表1は、文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」を基に、私立中学校の学年別の平均教育費総額をまとめたものです。 表1
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」を基に筆者作成 また、同調査結果によると、私立中学校に通う生徒の世帯年収は、1000万円以上が5割以上を占めています。一方、世帯年収400万~599万円の世帯の割合は6.2%です。世帯年収500万円で子どもを私立中学校に通わせるためには、教育費以外の支出を削ったり、奨学金を利用したりなどの工夫が必要かもしれません。
大学まで私立に通う場合、高校3年間で約310万円、大学4年間で約470万円が必要
ここからは、大学まで私立に通った場合の費用を解説します。 同資料を基に、私立高校の学年別の平均教育費総額をまとめると、表2の通りです。 表2
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」を基に筆者作成 次に大学の平均学費です。文部科学省によると、私立大学における令和3年度の初年度学生納付金の平均額は次の通りです。 ●授業料:93万943円 ●入学料:24万5951円 ●施設設備費:18万186円 上記のうち、入学料以外は毎年発生します。授業料と施設設備費を毎年同額と仮定し、大学に4年間通った場合の納付金総額は表3の通りです。 表3