悩みをひとりで抱えてしまう。''頼り下手''な私が日本一開かれた家族に聞いたアクション
2012年、舞さんは遊びを通して親子で繋がれるコミュニティ「asobi基地」を設立。 舞さん 「そこでは自然体のままでいることを心がけました。自分の中では実験のような気持ちで、できないことはできない、苦手なことは得意な人に任せるというスタンスでいることにしたんです。当たり前だけどそっちのほうが単純に仕事のスピードも速いしクオリティも高い。それに、周りの人たちもありのままの自分を受け入れてくれたり共感してくれる人たちだから、asobi基地が私自身の安全基地になっていったんです」 舞さんにとってはこの経験が「困ったら聞くこと」の成功体験となり、他者に頼れる自分に変わっていったという。
「頼る」ことから暮らしが楽しくなっていく
頼る=相手への負担というふうなネガティブな固定観念から抜けられない人にほど、「互いにメリットがあることなんだと伝えたい」と舞さんはいう。 舞さん 「私自身が誰かから頼られてよく思うことですが、頼られることによってその人自身の考えが整理されたりもするんです。つい最近も仕事のことでいろいろと棚卸しをしたくて大分に住んでいる友人に電話をして、『1時間くらい話を聞いてもらえる?』って頼んだんですよね。彼女は私と同じようなことに興味関心があってバックグラウンドも似ていたというのもあってか、話し終わったあと『おかげで私も自分の考えが整理された』と言ってくれたんですよ」 さらに、「頼ること」を通して世界が広がり暮らしが楽しくなる側面もあると続ける。 舞さん 「近所に暮らしている20代のアーティスト・カメラマンの"ぺぺ"に子どもと遊んでもらうのですが、彼の感性がとっても好きで、一緒に遊んでもらいたい!と思ったんです。すごく料理が上手な先輩ママには、よくご飯の差し入れをしてもらっています。ぺぺとこんなことをしたよ!○○さんのおにぎり、おいしい!と息子が教えてくれるのですが、頼ることを通じて私も子どもも新しい世界に出会えている。『いざ、頼り先を探そう』と気構えるんじゃなくて、自分自身が好きだなと思えることから頼り先を考えてみると、頼ることが少し楽しみなものに変わるかもしれません!」 この取材の撮影を担当してくれたぺぺさんにも話を聞くと、「変な話かもしれないですけど、池田家に頼られることが多い中で、『逆に自分からも頼らないと申し訳ないんじゃないか』という気持ちが出てきました。僕は頼ることがすごく苦手なタイプだけど、何か困ったときは池田家に言おうって思っています」という答えが返ってきた。 自分から進んで頼っていくことで、相手が頼りやすくなる状況をつくれるということだ。