悩みをひとりで抱えてしまう。''頼り下手''な私が日本一開かれた家族に聞いたアクション
そのために必要なのが『あいさつ』。実はあいさつは互いへの理解を深め、心の安心感を高めてくれるものなんですよね。うちの子どもたちも近所のおばちゃんたちに『おはよう』とか『いってらっしゃい』とかあいさつをよくしてもらっているんですけど、それによって『自分はここにいてもいい存在なんだ』って私自身も思えるし、それが頼りやすさにもつながっていると思っています」
浩基さん 「頼るのが苦手な人がいきなり自分が本当に望むことを伝えるのって精神的なハードルが高いから、まずは心の安心感をつくることが大切で、その一歩目があいさつということなんですけど。ただあいさつを繰り返すだけじゃなくて、あいさつに『プラスアルファで何か添える』ことができるととてもいいんです。最初は『天気がいいですね』みたいな簡単なことでよくて、次第に相手のことがわかっていったらアイスをちょっと差し入れしてみるとかやってみてもいい。すると今度は相手から、何か気にしてもらったり、何かもらったりするということが起こるんですよね。そういう小さなギブ&テイクをキャッチボールみたいに繰り返していくうちに、そのギブ&テイクと頼り・頼られるということとの境目がどんどん曖昧になっていって、頼りあえる関係性ができていくんだと思います」
とまりぎの案内用紙にも、「家の前では町の人に挨拶を。」というお願いが書かれており、ふたりがどれほどあいさつを重んじているかが伝わってきた。
頼るときは「具体的かつサッパリ」頼る
"あいさつプラスアルファのキャッチボール"によって頼りやすい関係性がつくれたら、実際に頼るときには何を意識して、どういう言葉や態度で頼ればいいのだろうか。 舞さんの「頼り方の特徴」について、浩基さんは「具体的かつサッパリ」と挙げる。 浩基さん 「舞が人に頼っているのを見ていて思うのは、まず頼りたいことを明確に伝えているということ。子どものことで手伝ってもらいたいことがあったら、『◯月◯日の何時は空いているか』『その時間に何をしてもらいたいか』『必要なものは◯◯と◯◯』のように具体的に伝える。それによって相手がYES・NOで回答しやすくなっているように感じます。そして断られたとしても、相手に過度に気を遣いすぎたりせず、『オッケー、また今度ご飯行こうね』くらいでその話題を終わらせて、別の人に頼るという思考に切り替える。それによって相手の気持ちの負担も軽くなるし、舞自身も次の選択肢に移りやすくなっているんだろうなと思うんです」