[国スポ少年男子]埼玉県が青森県のプレスを攻略。攻め続け、後半2発で注目対決を制す!
[9.21 国スポ少年男子1回戦 埼玉県 2-0 青森県 北部グラウンドA] 個の力、勝利へのエネルギーも示した埼玉県が青森県撃破――。21日、「SAGA2024第78回国民スポーツ大会」サッカー競技少年男子の部1回戦が行われ、埼玉県対青森県戦は、セットプレーからの2得点によって、埼玉県が2-0で勝利。埼玉は22日の2回戦で北海道と戦う。 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 埼玉の先発はGK岡村泰志(大宮U18、1年)、中澤凜(大宮U18、1年)、田中義峯(浦和ユース、1年)、熊田佳斗(大宮U15、中3)の3バック。右WB薄井翼(浦和ユース、2年)、左WB小坂真聖(大宮U18、1年)、ゲーム主将の小川直澄(浦和ユース、1年)と神田泰斗(大宮U18、1年)のダブルボランチ、三上蓮恩(細田学園高、2年)と中島大翔(大宮U18、1年)の2シャドー、1トップを中村虎太郎 (浦和ユース、1年)が務めた。 一方の青森は登録全16選手が青森山田高の選手。先発のGKは安瑞潤(1年)で、小澤丈(1年)、松田秀愛(1年)、主将の上林晃大の3バック。右WB水谷鉄生(1年)、左WB斉藤雅人(1年)、藤原優人(1年)と三國ケースマンエブス(1年)のダブルボランチ、原田幸(1年)と高江洲真吾(1年)が2列目に入り、1トップを氏家大哉(2年)が務めた。 前半、埼玉がボールを保持して相手を押し下げる。青森のダブルボランチがアグレッシブにボールを取りに来ていたが、上田健爾監督(細田学園高)が「来たところを外すっていうところをずっとやってきた」というように、三上や中島がその背中を取る形で仕掛けに結びつけていた。 8分には三上を起点とした攻撃から左の小坂が折り返し、神田が左足を振り抜く。さらに小川や三上が積極的にミドルシュート。埼玉は先発で唯一高体連所属の三上が、得意のドリブルでタメを作る。 23分には中央でDF2人の間を抜け出して左足シュート。前半、一際目立つ動きを見せていた三上は、「合宿が4日間あって、練習とかの時に全体でもう『やってやろう』みたいな感じで、『絶対、優勝』みたいな意気込みで挑めたんで良かったです」と振り返る。加えて、右の強力WB薄井、左の小坂からも好パスが入る埼玉は32分、中村が絶妙なファーストタッチで抜け出すが、シュートは青森GK安がストップした。 埼玉は押し込む中、やや個の力で仕留めようとし過ぎてしまっていたが、攻め続けたことで相手に攻撃機会をほとんど与えなかった。一方の青森は三國がセカンドボールを回収したほか、思い切りの良い右足ミドルも。特に前半はなかなか守備がハマらず、チーム全体的に苦しいクリアが増えてしまっていた印象だが、上林や斉藤が競り合いで奮闘し、松田のゴール前でのクリアやGK安のシュートセーブによって0-0を維持する。 そして、前線の氏家へボールを入れて押し返そうとする。だが、上田監督が「3バックはかなり安定していい」と頷くように、埼玉は抜群の高さを見せる田中を中心に、中澤、熊田の3バックが前への強さと安定感を発揮。青森にチャンスを作らせない。 青森は後半11分に氏家とMF藤原栄之郎(2年)を、19分には高江洲とFW池内太一(1年)を交代。埼玉も14分に三上とFWエドワード真秀(大宮U18)を入れ替える。埼玉は小川がワンツーで攻め上がってクロスを上げ切ったほか、神田が強引にドリブルで仕掛けるシーンも。対する青森もDF背後を狙った攻撃を続け、斉藤のクロスのこぼれを藤原栄が狙うなど攻め返す。 神田や小川、薄井、熊田と代表経験者を擁する埼玉に青森は良く食い下がっていた。だが、埼玉は21分、右サイドでFKを獲得すると、神田が左足で蹴り入れる。これを熊田が抜群の高さからヘッド。GKが弾いたところをエドワードが押し込み、先制点をもぎ取った。 埼玉はさらに29分、神田の右CKから熊田がヘディングシュートを叩き込んで2-0。対する青森は30分、1点目の失点時に負傷したGK安と原田をGK太田尾明磨(1年)とFW小林昊惺(1年)へ交代し、試合終了間際にも水谷とDF蓮沼大河(1年)を交代した。 三國のロングスローや上林を前線に上げてのパワープレーで1点を目指したが、GK岡村の守る埼玉ゴールを脅かすことができない。相手の“土俵”であるバトルでも勝った埼玉は、終盤にDF木寺優直(大宮U18、1年)、FW久良木慶斗(大宮U18、1年)を投入。試合を締め、2-0で勝利した。 V候補の一角と言えるような戦いを見せた埼玉が、難敵・青森に快勝。上田監督は今年のチームについて、「チームとしてのエネルギーが凄いあるチームなんで、関ブロ(関東ブロック予選)のところから、合宿やオフの時に関してもエネルギーのある選手たちですし、このチームのまとまりっていうところもかなり出てきたので、もちろん、日本一っていうところは狙っていきたいなとは思っています」と語った。 また、熊田は「6年前に出場して、その時も優勝して6年ぶりということで優勝しかないです。上田監督を優勝させたい」。前日、埼玉県出身ではない上田監督(千葉・市立船橋高出身)から不安もあったことを明かされ、選手たちはより一つにまとまり、優勝への思いを強くしたのだという。細田学園の恩師とともに戦う三上も「(今年の埼玉は)全体的に個が強くて、いいチーム。自分も上田先生のために頑張らないとなって思いました。目標は優勝です」。埼玉にとっては、2018年大会で日本一に輝いて以来となる全国舞台。青森戦のように個々の力とエネルギーを結集し、一つ一つ白星を積み重ねる。