岡山県内の裁判所書記官、上司のパワハラで国提訴 「被害回復なく放置は問題」と地裁に
岡山県内の裁判所で上司の男性主任書記官からパワハラを受け、うつ状態になって病気休暇を余儀なくされたとして、部下の男性書記官=50代=が17日、国に330万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。パワハラ被害に加え、適切な配置転換をしないなど裁判所の過失で精神的苦痛を受けたと訴えている。 提訴を公表した代理人弁護士によると、裁判所内でのパワハラを巡り、訴訟に発展するのは全国的に珍しい。代理人は「パワハラを判断する立場の裁判所が被害回復することなく放置したのは問題だ」と述べた。 訴状によると、男性書記官は昨年4~6月、事務手続きや電話対応に関して、大声での叱責(しっせき)や能力を否定する発言をされ、うつ状態と適応障害の診断を受け約3カ月間の病休を取得した。他の上司に放置され、復帰後も異動希望が認められないなど安全配慮義務違反があったと主張している。裁判所内の調査でパワハラは認定されているという。 裁判所は「コメントは差し控える」としている。