「フリップネタがもはやプレゼン」東大卒芸人・石井てる美「自分の殻破れずウケない」葛藤と支え合った平野ノラの存在
── 今後、やってみたいことはありますか? 石井さん:ピンネタとして一番憧れているのが、小島よしおさんの「そんなの関係ねえ」なんです。ほかにもスピードワゴン・井戸田さんの「ハンバーグ師匠」とか、ダンディ坂野さんの「ゲッツ!」とか、エド・はるみさんの「グー!」とか。ああいった老若男女問わず、見た目も楽しくてわかりやすくて、思いきり笑えるようなネタが大好きなんです。子どもが思わずマネしたくなるような、自分らしいネタを作りたい。そんな思いがずっとあります。
私はキャラクターに扮してやるネタが好きなんですけど、いまの主流は言葉選びのセンスに長けたおしゃれな笑いのような気がしていて。それもすごくおもしろくていいなあと思うのですが、私は、それにはなれない。ですから、自分らしいお笑いを目指して頑張りたいです。 PROFILE 石井てる美さん いしい・てるみ。1983年、東京都生まれ。東京大学工学部から大学院へ進み、卒業後は、大手外資系コンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」に入社。お笑い芸人を志し、2009年に退社。現在は、ワタナベエンターテインメント所属のお笑い芸人として活動中。
取材・文/西尾英子 写真提供/石井てる美
西尾英子