「セットはおひとり1649円から」「ドリバーは全長12メートル!」 すかいらーくが始動「体験型イタリアン」の実力とは?
この業態は、他の競合飲食店や内食、中食と胃袋の奪い合いをしているというよりは、その他の時間に対価を払うようなサービスを競合と意識しているのかもしれない。 実際に「ペルティカ」を訪れてみて、TSUTAYAの「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」をベンチマークしているように感じた。「SHARE LOUNGE」はTSUTAYAがいま力を入れている事業で、時間制で利用できるカフェとコワーキングスペースの中間のような施設。急速に店舗数を拡大しており、現在は提携店を含め50店舗ほどを展開している。
自由に飲み食べできるドリンクやフードにかなり力を入れていて、「ペルティカ」の「インペリアルドリンクバー」は「SHARE LOUNGE」のドリンクコーナーを思い出した。 すかいらーくの店舗数の推移を見てみると、ファミレスの中で中価格帯の「ジョナサン」の店舗数が縮小傾向にある。 リーズナブルな価格帯の「サイゼリヤ」や同社の「ガスト」、また高価格帯の「ロイヤルホスト」が好調でファミレス業界では二極化が進む中、その間の価格帯にいる業態は変革が必要なのかもしれない。
冒頭で述べたとおり、この「ペルティカ」は「ジョナサン」からの業態転換でオープンしており、ここで「ペルティカ」がうまくいけば今後もこうした業態転換が進む可能性はありそうだ。 実際に「ペルティカ」では、平日昼の料金体系でスープ(おかわり自由)、サラダ、フォカッチャ、パスタにドリンクバーの「Aセット」1649円(税込)にジェノベーゼのプラス料金が550円、さらにデザート1種329円を付けてお会計は2528円だった。ファミレスだと思うとまあまあ高価格帯の部類になると思う。
単に料理の質を上げたから価格を上げているのではなく、そこで過ごす「時間」や「体験」という付加価値を付けることで価格を上げているのがすかいらーくの新しい挑戦なのだろう。 ■ネットカフェも「トキ消費」を意識 周知のとおり、現代の情報化社会では可処分時間をどう使うかが重要視されている。様々な業種で消費者の可処分時間の奪い合いが行われ、企業はいかに「いい時間」を過ごしてもらうか知恵を絞っている。 ネットカフェ大手の「快活CLUB」も、トキ消費を意識した新コンセプト店「KEY PLACE」の展開を開始した。「スキマ時間の充実」を謳い、スキマ時間によく利用されるカフェをベンチマーク。カフェが補えないニーズを捕捉した店づくりが特徴となっている。