正社員で入社したのに年収は200万円くらいです。平均よりかなり低いのでしょうか?
初任給を上げた企業は70%以上
民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所が公表している、上場企業157社を対象とした「2023 年度 新入社員の初任給調査」によると、初任給を全学歴において引き上げた企業は70.7%です。ここでの初任給とは、原則として時間外手当と通勤手当を除く、諸手当込みの所定内賃金です。 2023年度の初任給の水準は、大学卒で一律22万5686円、大学院卒修士で一律24万3953円、短大卒で一律19万5227円、高校卒で一律18万3388円になっています。もっとも高い大学院卒修士の年収を考えると300万円ほどになりますが、ボーナスや時間外手当などが加算されればさらに上がることが想定できます。 また、新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」を運営する株式会社i-plug(本社:大阪市淀川区)が、2023年9月に実施した「新卒配属1年目の年収に関する調査」では、初年度の年収として400万円以上を希望する就活生は43.7%いるという結果が出ています(調査対象:2025年卒業予定の学生658名)。 対して、初年度に400万円以上の年収を提示できる企業は8.9%しかありません(調査対象:新卒採用を実施する企業322社)。
年収200万円は非正規雇用と同じ水準
今回のケースは、正社員で年収200万円ほどです。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」を見ると、19歳までの非正規雇用の女性で平均16万8000円(年収201万6000円)がもっとも近い数字になっています。 今回紹介したさまざまな結果を見ても、正社員で年収200万円は低いことになります。最低賃金として見たときにどのようになっているか、福利厚生なども考慮して総合的に判断したほうがいいでしょう。 出典 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 労務行政研究所 2023年度新入社員の初任給調査 株式会社i-plug OfferBox 新卒配属1年目の年収に関する調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部