【中南米・スマホ市場】韓国サムスンが首位もシェア落とす。アップルのiPhoneは6%以下で中国メーカーがシェア伸ばす。2023年7~9月
中南米スマートフォン市場の出荷シェア
●首位のSamsung(サムスン、韓国) Samsungは、引き続き中南米スマートフォン市場での王者となった。 しかしながら、シェアは前年同期からシェアを5%近く落とした。 要因は、ローエンド商品を絞り、高価格機種(Z Flip 5 / Z Fold 5)を前面に出した結果と言える。 ただし、9月下旬にかけてエントリーレベル機種の出荷量を増加させているため、年末のホリデーシーズンにシェアは増加基調となる可能性がある。 ●2位のMotorola(モトローラ、本社はアメリカであるが親会社は中国レノボ) Motorolaのシェアは前年同期をわずかに下回ったものの、出荷台数は伸びた。 前年同期に低価格機種が十分に供給できず台数が少なかったことが要因だ。2023年はEシリーズが十分に供給できており、出荷台数の伸びに貢献している。 ●3位のXiaomi(シャオミ、中国) Xiaomiは、出荷台数、シェアともに前年同期比で増加した。 Xiaomiの出荷状況は、中南米のほぼすべての国で改善している。とりわけ、メキシコ、ブラジルなどが同社の成長に大きく貢献している。 ●4位のApple(アップル、アメリカ) Appleは、依然4位ながらも、iPhone 11の出荷増と販売プロモーションにより、台数・シェアともに伸びた。 なお、新型のiPhone 15シリーズは2023年第3四半期の業績には影響がない。 世界同時発売の当日(9月22日)にiPhone 15を発売できたのはメキシコだけであった。ブラジルとコロンビアには9月29日に入荷し、その他の国に入荷したのは10月に入ってからであったからである。 ●5位のHONOR(オナー、中国) HONORは、元はHuawei(ファーウェイ、中国)の低価格ブランドであったが、2020年に分離独立したメーカーである。 HONORは、販売台数を前年同期比で倍以上に伸ばし、中南米市場で最も急成長を遂げたメーカーとなった。 ・あらゆる流通チャネルに在庫を流す ・大手メーカーが参入していない小さな市場にも参入 したことが影響していると言える。 HONORはこの四半期中にも販売を伸ばしており、ブランド確立はまだ道半ばである。 ●その他メーカー OPPO(オッポ、中国)も急成長しているが、売上の多くは未だにメキシコに頼っている。 そのため、中南米市場でのトップセラーランキングからは名前が消えることとなった。 また、中国からの新規参入メーカーが他にも多くあり、その結果、中南米の地場メーカーは絶滅の危機にさらされている。
参考資料
・Counterpoint Technology Market Research 「Market Monitor | Quarterly Smartphone Vendor Region Value Share Q3 2023」 ・Counterpoint Technology Market Research
石川 貴康
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