10年間で「100万円超の差」に!?老親との同居で出費に大きな差がつく「たった1つの選択」
● 「別世帯では親を扶養家族にできない」は間違い! 世帯と扶養家族は別の話 引き取った母と同じ家(一戸建てでもマンションでも)に住み、世帯を別にすることは特に問題はない。それぞれが自分の収入で暮らしていればいいだけのこと。 親の収入が少なく、経済的に援助しているため税務上の扶養家族にしている人は、別世帯にすると扶養家族にできないのではと考えるかもしれないが、世帯と税務上の扶養家族は別の話である。 わが家は、夫の両親と同居の4人家族だった(今は2人とも亡くなった)。20年以上前になるが同居を始める際に、同一世帯にせずに二世帯(親世帯、子世帯)のまま引っ越しをした。同じ家で住民票が2つであったので、選挙の案内の封筒は2通きていた。 親、子それぞれの収入で暮らしていたが、もと自営業だった義両親の年金は少なく、私たちが経済的な援助をしていたので、税務上の扶養家族にしていた。なんの問題もない。 こんなケースもあった。 友人が父親を亡くし、「兄が二世帯住宅に住む母の住民票を一緒にすると言っている。どう思うか」と相談を受けた。 友人の両親は、兄である40代の長男家族と二世帯住宅を建てて住み、住民票は「親世帯」と「子世帯」で別々だ。 父親の死後、遺族年金で暮らすことになる母親を長男が扶養家族にしたいから、同じ住民票に入れなければ扶養に入れられないと考えたようだ。 話を聞いてみると、今後も食事や日常生活は長男家族とは別で、当面自分の収入でやりくりしつつ、足りない分は長男から援助を受ける予定とのこと。 それぞれで暮らしていくなら、わざわざ同一世帯にする必要はない。別世帯のまま、経済的援助をするなら税務上の扶養家族にすればいいだけのことだ。 以上のことは、広く一般に知られていないが、親と子は別世帯にするとメリットがあるケースが多いことはぜひ知っておきたい。なお、親と子の生計が別という実態があるなら、同一世帯から別世帯に世帯分離することも可能なことも覚えておこう。
深田晶恵