<ソチ五輪>スノーボードの新種目に不満殺到
加えて今回は、スロープスタイルのジャッジでも、不満が相次いだ。難易度の高いトリックを決めても、それが得点に繋がらない、というのだ。 FISが設定する採点基準と、スノーボーダーらが主催する、例えば、全米オープンや、Xゲームでの基準に違いがあったと見られるが、得点を見て唖然とした表情を浮かべる選手が、少なくなかった。優勝したセイジ・ コッツェンバーグ(米国)も予選で首を傾げた一人で、決勝に進む前、「ジャッジする人が、何を求めてるのか分からない。どんなトリックが評価されているのか、見直す必要があるかもしれない」と話したそうである。 そうした状況を受け、長野五輪に出場し、各種スノーボード大会の解説を務めるトッド・リチャーズさんは、「トリックに対する評価が正当ではない」と指摘。「きちんと話し合う必要がある」などとツィートしているが、それはスノーボードコミュニティの共通した見方でもあった。 FIS側は、「スキーヤーではなく、スノーボーダーが採点にあたっている」と弁解したが、「スキーヤーがやっているのでは?」という疑いが出る時点ですでに、大きな問題だろう。結局、コース設定にしても、採点にしても、今回も透けたのは、スキーの団体がスノーボードの競技を運営する矛盾である。そのことは指摘されて久しいのに、その問題が改めて浮き彫りとなった。 採点の問題に関しては、これから始まるハーフパイプでも起き得る。日本人選手では、平野歩夢、青野令らが、メダル候補と言われているが、予選で傾向を把握したあと、コッツェンバーグのように対応を迫られるのかもしれない。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)