<勝利へ・2021センバツ鳥取城北>スタッフ紹介/中 霜村亮コーチ/中島悠貴部長 /鳥取
◇対話し素質引き出す 霜村亮(しもむら・りょう)コーチ(34) 鳥取城北の主将を務めた2003年秋の中国大会では4強に入ったが、翌年のセンバツ出場校に選ばれず、夏も甲子園に届かなかった。熱心に練習しながらも「これだけやったという土台が足りなかったのかな」と感じた経験が、伝統の強打を育てる打撃コーチとして妥協のない指導を続ける下地になっている。 普段は打撃ケージの後ろでじっと打撃練習を見守り、気になったところがあればティー打撃でのスイング指導などを行う。指導法は「100人いれば、はまる方法は100通り」と言うように、選手と対話して素質を引き出すのが信条だ。「主力だけでなく、そうでなかった子が成長して結果を出した時に喜びを感じる」とコーチの醍醐味(だいごみ)を語る。 ◇「感謝」忘れずプレーを 中島悠貴(なかしま・ゆうき)部長(39) 1999年の夏に鳥取城北の遊撃手として甲子園を目指したが、惜しくも県大会準決勝で敗退。1点差の九回、最後の打者になったことが今でも忘れられない。「恩返しをしたい」という誓いを胸に2008年に母校に戻り、部を縁の下から支え続けてきた。 選手たちに伝えたいことは「感謝」の大切さだ。コロナ禍での大会開催には数え切れない人たちの尽力が必要だった。野球部にしても、かつては校内のグラウンドで他部と譲り合って練習していたが、今は地域の協力もあって立派な専用グラウンドで思う存分練習できる。甲子園に臨むナインには「部の活動や高校野球全体に関わる人たちの存在を感じながらプレーしてほしい」と強く願っている。