日本で「年収1000万円超」は意外に多いって本当?世帯年収1200万円超の貯蓄中央値は1500万円
世帯年収1000万円超の貯蓄中央値は1500万円
では最後に、世帯年収1000万円超の平均貯蓄額について見ていきましょう。 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上の世帯年収1000万円超の平均貯蓄額は下記のとおりです。 ●世帯年収1000万円超の平均貯蓄額 ・1000~1200万円未満:平均値2400万円・中央値1280万円 ・1200万円以上:平均値3892万円・中央値1500万円 「平均値」は、極端に大きい数字がある場合にその数字に偏る傾向があるため、より実態に近い数値を知りたい場合は「中央値」を参考にすると良いでしょう。 世帯年収1000万円超の平均貯蓄額の中央値はどちらも1000万円超となっており、貯蓄ができている世帯が多いことがうかがえます。 とはいえ、「世帯年収1000万円超=貯蓄も多い」とは一概には言えません。 ●世帯年収1000万円超の貯蓄ゼロの割合 実際に、金融広報中央委員会の同調査によると、世帯年収1000万円超の約1割の世帯が金融資産非保有、いわゆる貯蓄ゼロとなっています。 ・1000~1200万円未満の貯蓄ゼロ割合:11.5% ・1200万円以上の貯蓄ゼロ割合:9.7% 世帯年収が高いにもかかわらず、貯蓄ゼロの世帯が存在する背景としては「高い住宅ローン返済負担」や「教育費といった高額支出」などにより負債が貯蓄を上回っていることから、貯蓄が難しい現状が考えられます。 また、日本では高収入になるほど、税金負担が大きくなるだけでなく、公的な助成や給付金が所得制限により受けられなくなります。 このことから、手取り額に対して生活支出や教育費などの支出割合が多くなり、収入を貯蓄に回せない世帯も一定数いるのだとうかがえます。 「世帯年収をアップさせて、貯蓄額を増やしたい」と考えている方は、世帯年収を上げるための手段とともに、家計収支やライフプランの見直しなどもしておけると、計画的に貯蓄がしやすくなるでしょう。