反移民「極右」初の第1党 オーストリア、連立焦点
【ウィーン共同】オーストリア国民議会(下院、183議席)の総選挙が29日行われ、選管の暫定結果で、元ナチス党員らが創設し、反移民で「極右」と批判される自由党が初の第1党となることが確実になった。過半数には届かず、連立政権を樹立し、首相の座を得られるかどうかが焦点となる。 暫定結果によると、自由党が前回2019年選挙から13ポイント増の得票率29.2%でトップ。ネハンマー首相率いる中道右派、国民党が11ポイント減の26.5%、野党の社会民主党が0.1ポイント減の21.0%で続いた。 自由党と国民党の連立が有力視されるが、ネハンマー氏は自由党のキクル党首が首相など中枢ポストに就くのであれば組まないとの考えを示している。両党は17年に国民党主導で連立政権を構築した。 最大の争点は移民・難民問題。自由党は受け入れを抑制するために難民の滞在期間の制限や手当の削減、不法移民の国外追放などを掲げ、支持を拡大した。親ロシアで反イスラムを唱え、欧州連合(EU)に懐疑的な姿勢を示している。