機能を失った災害拠点病院 8億5000万円かけて水害対策 多額の費用負担など課題も
今年3月からはじまった浸水対策工事。 病院の敷地約1万9300平方メートルを取り囲むように、630メートルにわたってコンクリート製の防水壁を整備し、外の浸水状況を確認するため、赤外線カメラも新たに設置しました。 さらに、敷地内にたまった雨水を排水できるよう、排水ポンプを30台整備しました。 田主丸中央病院 山本和雄 医療情報部長「去年の水害の時に、こちらの機械はほとんど水没して故障しました。ですから今年は2段かさ上げして、水害に遭わないようにしています。」 ■手術室に高さ50センチの止水板 また、高さ50センチの止水板を購入し、高額な医療機器がある手術室など院内15か所に設置できるようにしました。 田主丸中央病院 鬼塚一郎 院長「水害に負けない病院、強靱な病院」にして、地域の人たちを助けられる病院にしたい。」厚生労働省によると、よりますと、2018年の西日本豪雨では95の病院、2020年の九州豪雨では34の病院、そして去年7月の大雨では田主丸中央病院を含む9つの病院が浸水の被害を受け、外来診療を休止しました。 田主丸中央病院の場合、浸水対策工事にかかった費用は約、8億5000万円。費用の一部は国から補助が出ますが、病院側の負担は小さくありません。 ■病院が久留米市に要望した対策 また、田主丸中央病院のそばにはJR久大線が走っていて、この土手が山から流れてきた雨水をせき止めるため、この地区ではこれまでも浸水被害が起きていました。 そのため田主丸中央病院は去年4月、久留米市に対し、浸水対策として「JR久大線の軌道を横断する排水路を大きくしてほしい」と要望していましたがその3か月後に、記録的な大雨で浸水被害を受けました。 去年11月に病院は改めて久留米市長に要望書を提出。 久留米市は排水路の拡幅の設計費用として7800万円を補正予算案に計上し、25日の6月議会で予算案は可決しました。久留米市は2026年度の工事完了を目指し、JR九州と協議するとしています。
RKB毎日放送