ミニチュアで街の人々に笑顔を 高知、眼鏡士の67歳男性が自作
高知市の眼鏡店で認定眼鏡士として働く茨木典幸(いばらぎ・のりゆき)さん(67)が、店舗や市場などを模したミニチュアの製作に取り組んでいる。作品の多くは「子どもや街の人々に笑顔になってほしい」と市内の図書館や商店街の店舗に寄贈している。(共同通信=伊藤佑太朗) 製作を始めたきっかけは、2013年にドールハウスの展示会を訪れたこと。図面や部品がそろったキットを土産に購入し、小さな建物を自ら作り上げる魅力に気付いた。職業柄、手先を使う細やかな作業には慣れていた。その後、妻の勧めで一からミニチュアを自作することになった。 オリジナルの作品はモデルや設計図がないため「何をどんな材料でどのように作るか、一から考えることが好き」という。これまで作ったのは40点以上で、多くはパリ風の店舗やマルシェを模したもの。内装や小物にもこだわり、一つ一つ丁寧に色付けや接着を行う。 材料のほとんどはそうめんの空き箱や割り箸など身の回りにあるもので賄い、1作品の製作費は千円以下に収まる。特に思い入れが深いのは、16年に作った紳士服店のミニチュア。「ファッションが好きなので、こんな服が着てみたいと想像を膨らませた」
一昨年からは市内の商店街に実在する店舗のミニチュアも手がける。再現度を高めるため、製作中は何度も店舗へ足を運んで外観や内装を確認。作品の鑑賞を目当てに、少しでも多くの客に店へ足を運んでもらうのが狙いだ。「実際のお店とミニチュアを見比べ、楽しんでもらえれば」