3度目の「(立候補は)最後」訴えに厳しい目…投票率73%の市長選、76歳現職が55歳に敗れる
測量会社役員が初当選
兵庫県の養父市長選と市議選(定数16)は20日、投開票された。前々回の2016年と同じ顔ぶれになった市長選は、新人で測量会社役員の大林賢一氏(55)(無所属)が、現職の広瀬栄氏(76)(無所属)を破り、初当選を果たした。市長選の投票率は73.11%(前回73.52%)だった。当日有権者数は1万8195人。
市立八鹿総合体育館で午後9時から始まった開票作業を各陣営の関係者や支持者らが見守った。 大林氏の当選が確実になると、支持者らが歓喜の表情を浮かべ、連絡を受けた事務所にも喜びの声が広がった。
一騎打ちとなった選挙戦で、大林氏は企業経営者としての手腕をアピール。「民間感覚を市政に反映させ、ワンチームで地域経済を推し進める」と訴え、ふるさと納税の拡大、人を呼び込むためのイベント開催などの政策を掲げた。経済活性化で人口減にも歯止めをかけるとした。
「多選で周りが見えにくくなり、正しい判断もできなくなる」と現市政を批判。国家戦略特区による各種事業についても「市民に恩恵がない」とした。個人演説会では、妻や長男らも参加し、家族ぐるみで支持を呼びかけた。
大林氏は近畿測量専門学校卒。2003年に測量会社を設立した。16年の市長選に立候補して落選し、8年ぶり2度目の挑戦だった。
広瀬氏は4期16年の実績や国との関係を強調も多選や高齢が不安材料となった。前々回や前回選で「(立候補は)最後」と訴えてきたことなども影響した。