メイ元英首相、政界引退へ 次期総選挙への出馬断念
【ロンドン共同】英国の与党、保守党のメイ元首相(67)は8日、年内にも実施される次期総選挙に出馬せず、政界を引退する意向を表明した。声明で「難しい決断を下した」と述べた。英メディアが報じた。メイ氏は2016年から19年まで首相を務め、故サッチャー元首相に次いで英国で2人目の女性首相だった。 スナク首相が率いる保守党は22年以降、ジョンソン元首相やトラス前首相らが不祥事などで相次いで辞任し混乱が続いている。最大野党の労働党に支持率で大差をつけられ、総選挙では苦戦が予想されている。BBC放送によると、保守党ではウォレス前国防相ら60人以上の下院議員が既に不出馬を表明している。 メイ氏は1997年に保守党から下院に初当選し、2010年から16年にはキャメロン政権下で内相を務めた。16年6月の国民投票でEU離脱が決定。キャメロン首相の辞意表明を受け、同年7月に保守党の党首に選ばれ、首相に就任した。
EUと離脱合意案をまとめたが議会で繰り返し否決され、混迷の責任を取り19年5月に辞任を表明した。