【阪神】藤川監督がやみくもな〝MLB信仰〟に警鐘「NPBでは通用しない」
阪神・藤川球児監督(44)が若手選手たちのやみくもな〝MLB信仰〟に警鐘を鳴らしている。 チームは秋季キャンプを終え、本格的なオフシーズンに突入。来年2月1日のキャンプインに向け、ナイン個々の自主トレの質量が問われる時期となる。近年では米国のトレーニング施設などに〝短期留学〟し、新たな知見を得ようとする選手も多い。 動作解析、バレル率、フライボール革命…。一昔前までは存在しなかった米球界発の概念やトレーニング方法は、即効力を求める若手選手たちにとって魅力十分。だが、MLB在籍経験もある若き虎将はこうしたトレンドに一種の危機感を募らせているという。 「ハッキリ言えばMLBの野球を目指しながらやっている選手もいますけど、NPBの『野球』とはまた質が違う。MLBにアジャストしようとするとNPBでは通用しないというのがハッキリ出ている。損をするよと。NPBで数字が出なくなるので」 現代はSNSや動画投稿サイトなどで、米球界の最新トレーニング法などを容易に調べることができる。〝頭でっかち〟の選手が増えつつあると危惧する野球人は少なくない。イチロー氏も、母校・愛工大名電のグラウンドを訪問した際「データでがんじがらめになって感性が消えてしまっているのが現代の野球」と後輩ナインたちを叱咤激励。MLBでいくつもの輝かしい記録を打ち立てた大レジェンドの金言は大きな話題を呼んだ。 阪神前監督の岡田オーナー付顧問も、指揮官在任中は「データよりも大切なのは感性やんか」と繰り返し力説。「なんかもう最近はカットだとかツーシームだとか変化球の種類も多すぎるやろ。速い球がストレート、それより遅い球が変化球。打てない変化球には最初から手を出さなきゃええんよ」と単純明快な打撃哲学こそが肝要との考えを説いていた。 イチロー氏、岡田顧問、そして藤川監督。一時代を築いた昭和生まれの野球人たちの言葉は、情報があふれ返る令和の時代にこそ、耳を傾けるべきなのかもしれない。
東スポWEB