ロシアの歳末、今年はインフレで倹約ムード
[エカテリンブルク(ロシア) 27日 ロイター] - ロシアでは毎年12月後半、市民が新年のお祝いの買い物で忙しく過ごすが、今年は物価高のせいで財布のひもは固い。 ここ数カ月の間にバター、ジャガイモ、鶏肉など日々の食事に欠かせないものの価格が上昇した。実質賃金は上昇したが、主に防衛・技術部門の給与が上がっているためで、物価上昇に追いついていない。 オムスクの公務員ナタリア・モレヴァさんは、小麦粉、パン、チョコレート、果物、野菜、肉などの値上がりし、「買い物に行っても以前ほど買えなくなった」と話す。 エカテリンブルクの学生ディナラさんは「以前は、(ホリデーシーズンの買い物は)なんとか予算内に収まっていた。今は値上がりしてしまった。たぶん3─4倍になっていると思う」と語った。 モスクワの学生ヴェロニカ・アレフィエヴァさんも「以前は20ルーブルで買えたパンが今は50ルーブルもする」と話した。 インフレ率は直近9.5%と中央銀行の目標4%を大きく上回っている。中銀は今月、市場の利上げ予想に反して据え置きを決定した。中銀金融政策部の高官は24日、インタファクス通信に対し、インフレ率は年末に9.8%に上昇し、25年4月をピークに下降に転じるとの見方を示した。 この季節に市民が買い求めるモミの木も高い。サンクトペテルブルクのバイヤーは「値段も聞かず買っていく人もいれば、値引きしても買えないと言う人もいる。来年は誰もが買えるようになってほしい」と話した。 オムスクの73歳の年金生活者は、日に日に物の値段が上がっているとし「いま国が大変な状況にあることはわかる。それでも食べ物は大幅に上がってほしくない」と語った。