多部未華子インタビュー 頭の中をそのまま描いている気がして凄く感動した『インサイド・ヘッド2』
気持ちの変化のきっかけ
――気持ちの変化のきっかけは何ですか。 年齢だと思います。え?さとりさんは、どうですか? ――年齢もあると思いますが、私は子どもによってかもな。自分の中で守るべきものが出来て、より一層、図太くなった気がしています。 そうですよね。強くならざるを得ないというか、不思議ですよね。特に女性は変わりますよね。 ――確かに。ちなみに舞台でも共演経験がある【カナシミ】の声を担当された大竹しのぶさんと、今回は映画で共演でした。大竹しのぶさんの魅力も教えて下さい。 私は前作『インサイド・へッド』も観ていたので、大竹しのぶさんとの共演は嬉しかったです。私は大竹さんのことを、良い意味で「お芝居界のバケモノ(妖怪)」と呼ばせて頂いているのですが、なんか不思議な人ですよね(笑)。作品でご一緒する時は『仲間』という空気を凄く作って下さるんです。今作では声のみでしたので、取材とか舞台挨拶でお会いしたのですが、その時も『仲間』という空気を作って下さっていることを感じました。お母さんぐらいの年齢差があるのですが、毎回そういう気持ちにさせてくれるんです。 ――それって素敵ですね。では最後に、今後、どんな女性になっていきたいですか。 う~ん、なんだろう。でも、力強く、地に足をつけて生きていきたいです。”自分はどうしたいのか?” を自分に問う時間が最近長いんです。その自分に問いかける時間も大事だと思っています。しっかり自分を見つめて答えを出すというか。年齢なのかな?(笑)。 デビュー当時からお付き合いのある多部未華子さん。映画やドラマ、舞台により表情もスピードも変わる彼女が挑んだ、一見、悪役に見えそうな【シンパイ】。今まで【ライリー】の成長を見守ってきた【ヨロコビ】達を追い出そうとしながらも、【ライリー】の未来が暗くならないよう一生懸命、考えるキャラクターを、エネルギーを燃やすように演じています。だから愛おしいキャラクターなんだと納得し、同時に多部未華子さんの演技の振り幅は無限大だと再認識する作品との出会いでした。好きだな、『インサイド・ヘッド2』も。
伊藤さとり(映画パーソナリティー)