多部未華子インタビュー 頭の中をそのまま描いている気がして凄く感動した『インサイド・ヘッド2』
一番好きなディズニー&ピクサー作品
――今回はディズニー&ピクサー作品です。多部さんが今まで一番お世話になったディズニー&ピクサー作品を教えて下さい。 私はもともとディズニー&ピクサー作品が大好きなんです。その中でも一番好きな作品は『モンスターズ・インク』(2001)です。公開時は確か高校生の時で、その時も2回か3回、映画館に観に行きました。好きすぎて、もう何回も観ています。 ――『モンスターズ・インク』にハマった理由を教えて下さい。 最後のラストシーン、壊れた木のドアの最後のピースを【マイク】が修理をしてくれていて、あのシーンから毎回嗚咽レベルで泣いています。先日も友人と一緒に観たのですが、流し見していた程度でしたが、それでも最後の【サリー】が木のドアを開けるシーンで大号泣。全ての登場人物の表情も良くて、あのシーンを思い出しただけで泣けてきます。本当に大好きな作品です! ――話を聞いているうちにまた『モンスターズ・インク』を観たくなった(笑)。 私もまた観たくなってきた(笑)。全世界の人が『モンスターズ・インク』を好きだと思い込んでいました。 ――そう考えると、私はディズニー&ピクサーなら『インサイド・へッド』が一番好きかも。 私も好きです。 ――『インサイド・へッド』のどんなところが好き? “こんな設定ある?”ってところから始まって、産まれた時の感情、それにお父さんやお母さんの頭の中の感情も全部が理解出来るというところが本当によく出来た話だと思いました。そして色鮮やかで、いらない思い出はポイっと捨てて、大事な思い出はこうなってみたいなところも頭の中をそのまま描いている気がしていて、凄く感動したことを覚えています。だから今回のお話を頂けて、凄く嬉しかったです。 ――今回の『インサイド・へッド2』では【シンパイ】【ハズカシ】【イイナー】【ダリィ】とNEWキャラクターが登場します。思春期になると出て来る感情ですよね。多部さんは映画のキャラクターの中でお子さんが産まれる前と後で感情に変化があったりしましたか。 子どもが居るだけでいうなら【ヨロコビ】。もう【ヨロコビ】しかないです。毎日、本当に楽しいです。子どもが産まれてからの人生の方が楽しいです! ――【シンパイ】は居ない? 居ないことはないですが、そんなには‥‥、“何とかなる!” そんな感じです(笑)。 ――素晴らしい。私は【シンパイ】と【ヨロコビ】がバトルしてる感じだ(笑) ちなみに今回の『インサイド・へッド2』は、『アナと雪の女王2』(2019)を上回り、歴代アニメーション映画全世界興行収入No.1ヒットを記録しています。 多部さんが思うこの映画の共感ポイントってなんだと思いますか。 本当に泣けますよね。「どの感情も必要なんだ。どの感情も無駄ではない。どの感情も成長させてくれる一つなんだ」ということがわかりやすく、しかもダイレクトに心に響く作品だと思います。監督のメッセージにも「自分を肯定できる」というのがありますが、まさにその通りで、物語を通して自分自身の人生やこれからのこと、性格など全部を振り返って、新たに前に進ませてくれるような作品だと思います。 ――人間関係もよく描かれていますよね。新しい環境に馴染もうとして【ライリー】は自分らしさを消してしまいます。周りからよく見られたいという考え方についても、今回のもうひとつのテーマのような気がします。多部さんは新しい環境で仕事をする時などで【ライリー】のようになることはありますか。 多少はあると思います。あると思うけど、年齢を重ねるうちにだんだんと減っていきますよね。自分らしさを肯定できるようになっていくというか‥‥。思春期の時は「自分をよく見せたい、恥ずかしい、こんなことをしたらこう思われるのではないか」という感情が沢山ありました。でも35歳にもなるとだんだんと図々しくなるというか(笑)。図々しさを覚えてくるんです。今は「イイ顔しないと」という感情が薄れてきています。