学年バラバラ→「組織改革」で選手増 野球衰退阻止へ、鍵握る世代に潜む“集客力”
愛知・北名古屋ドリームスは小学3、4年生育成に注力し選手数安定&成績向上
野球人口減少食い止め、さらには復活へ、鍵を握る“世代”がある。愛知県北名古屋市の学童野球チーム「北名古屋ドリームス」は、小学生の中でも特に3、4年生の育成に注力し、近年は選手数が安定。2021年には“小学生の甲子園”「全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」で準優勝と実績も残している。「どのチームでも、やろうと思えばできる。ただし時間はかかる」(岡秀信監督)というその取り組みとは、どのようなものか。練習の模様を取材し、秘訣に迫った。 【実際の動画】投球ドリル→三角キャッチボール&応用も 北名古屋ドリームス「ジュニア」のハイレベル練習 北名古屋ドリームス(以下、ドリームス)は小学5、6年生の「トップ」、3、4年生の「ジュニア」、2年生以下の「キッズ」に分かれて、週末土日の午前9時から午後5時まで活動を行っている。とある土曜日、北名古屋市内の小学校で行われていたジュニアの練習を訪れると、4年生16人、3年生13人の選手、そして多くの保護者が集い、グラウンドは活気に包まれていた。普段はトップチームを率いる岡監督は、「他のカテゴリーも含めて選手数は全部で73人。1学年に10人強はいる計算ですね」と説明する。 近隣のチームが合併してドリームスが生まれたのは2006年。今でこそ熱気に溢れ、全国大会の常連として名を馳せるチームだが、かつては違ったという。岡監督が振り返る。 「愛知県は子どもの数が割と多いので、学年ごとにチームを作るクラブが多く、うちも以前はそうでした。しかし、それで何が起こるかというと、各学年で行動するので交流もなくなるし、グラウンド1つにしてもどの学年が使うかなど、余計なイガミ合いが出てくるんです。それでは伝統的に良いチームはできないだろうと考えました」 そこで岡監督が“組織改革”に乗り出したのが2013年。各学年の垣根を取り払い、現在のような2学年ごとのカテゴリー分けを実施。そして月に1度、チーム代表、各カテゴリーの指導者、マネジャーを務める保護者が集って指導・運営方針を議論する会議を立ち上げた。そこで活発に意見交換をすることで風通しを良くし、チーム内の連携を深めていったのだ。