学年バラバラ→「組織改革」で選手増 野球衰退阻止へ、鍵握る世代に潜む“集客力”
“近所の野球好きのおっさん”ではなく有資格のコーチ陣が指導
さらに、チームの魅力向上や発信にも努めた。魅力を作り出すためにも、まずは指導者だ。 現在、トップには岡監督も含めて4人、ジュニアには2人、キッズには3人と計9人の指導者がいるが、いずれも「JSBB公認学童コーチ」や「JSPO公認スポーツ指導者」など全軟連やスポーツ少年団の資格を持っている。「お子さんを預けたい保護者にとって『誰が教えているか』は、ものすごく重要です。単なる近所の野球好きのおっさんではなく(笑)、きちんと知識・経験を持った人が教えています」と岡監督は力説する。 ちなみにドリームスの指導陣は、いずれも自身の子が卒団した、保護者としても育成の流れを一通り経験してきている人たちだ。さらに、必ずトップを指導したコーチがジュニアを、ジュニアを指導したコーチがキッズを、教えるようにしている。だからこそ“共通認識”が醸成され、安定的強さにつながる。 そして、その強さを育む上でも重要なのが、カテゴリーの中間に当たる小学3、4年生の世代なのだという。現在は小林正明ジュニア監督、篠田進太郎コーチの下、投げる・打つ・走る・守るの基礎を粘り強く指導しており、その礎があってこそ、徐々に体力がついてくるトップ世代での成績に結実する。 岡監督は“組織改革”を実行してみて、この「ジュニア」にこそ“集客力”の鍵があると実感しているという。 「ジュニアに力を入れると、どんなことが起こるか。例えば『一緒に野球をやりたい』と友達を連れてくる。さらに、その友達のお兄さんが入ってくる。そして、園児くらいの弟がいて『せっかくなのでやらせてあげたい』と保護者が連れてくる……。そうやって、スムーズに選手数も増えていったんです」 未就学児を受け入れるようになったのは2015年から。お金をかけてでも子どもに野球をやらせてあげたい教育熱心な親は、実はたくさんいると岡監督は言う。それを、小さい子には危険だからと拒否していては、他の競技に流れてしまうのは必然だ。 「そして、その親たちは何を求めているのか? シンプルに『子どもの野球が上手くなること』。その要望にチームとして応えてあげればいいんです。『ドリームスならば上手くなれますよ』と、私は自信を持って言えます」