なぜ八村塁はいきなり世界最高峰のNBAで活躍できているのか?
米プロバスケットボールNBAのワシントン・ウィザーズに所属する八村塁(21)が開幕3試合を終えて早くも存在感を示している。 開幕から3試合の遠征に出たウィザーズは、対ダラス・マーベリックス戦を100-108と黒星発進すると、2日後のオクラホマシティ・サンダー戦では97-85でシーズン初白星。翌日のサンアントニオ・スパーズ戦では最後まで競った試合を2点差(122-124)で落とした。 そんな中、すでに八村はチームになくてはならない存在となった。 全試合にスターター出場して、すべて二桁得点。1試合平均32分あまりの出場で16.3得点、7.7リバウンド。27日を終えた時点で1試合平均得点はルーキーで5位、オフェンス・リバウンド(2.7)も含め、リバウンドはルーキーでトップ。ウィザーズ内でも平均得点は今季チームのエースとして奮闘するブラッドリー・ビール(1試合平均20.3得点)に続いて2番目に多く、リバウンドもセンターのトーマス・ブライアント(1試合平均9.7リバウンド)に次ぐ2位だ。 NBAデビューのマーベリックス戦では第1クオーター開始から約2分半で初得点を決めた。ディフェンス・リバウンドを奪ったビールからのロングパスをゴール近くで受けて身長約221センチのクリスタプス・ポルジンギスと208センチのマキシ・クレバーにつかれながらフットワークと体の強さで自らのスペースを確保し、利き手とは反対の左手でレイアップシュート。初めての試投を見事に決めると、同クオーター残り7分35秒、そしてその約30秒後にドリブルからのジャンプシュートを立て続けに成功。 マッチアップしていたポルジンギスは、「ああいうシュートで来るとは思わなかった」と、大きなスペースを与えてしまい決められたシュートを悔やんだ。第1クオーターからリズムを掴んだ八村は、試合を終えて14得点、10リバウンド。二つのカテゴリーで二桁を記録する“ダブルダブル”をさっそく成し遂げた。 2戦目のサンダー戦でも、開始から2分もたたないうちに豪快なスピンムーブでシュートに持ち込んだり、自らよりも20センチほど身長が低いものの名ディフェンダーとして知られるガードのクリス・ポール相手にポストアップからパスを受け、ターンして体勢を崩しながらもシュートを決めるなど、この日不調のビールの分をカバーすべく積極的にプレーした。試合は第3クオーターに最大12点リードしていたものの第4クオーター残り4分27秒に同点に追いつかれたが、タイムアウトを経て八村がドリブルからシュートを決めて再びリード。 ウィザーズは八村のフリースロー2本も含め14連続得点でリードを広げ今季初勝利を掴んだ。八村によると、タイムアウトのあとの攻撃はビールがシュートに行くための作戦が練られたが、ビールがディフェンダーに厳しくつかれていたために「自分がそのまま空いていたので」と判断。大学時代から「最後のそういう時に活躍できる選手になるようにといつも言われていた」経験からのとっさの決断力で鍵となるプレーを見事に決めた。