アメリカ兵として「自分たちは汚名を晴らす」敵性外国人と呼ばれた日系二世『戦争通じて』忠誠を証明する悲惨さ【真珠湾攻撃から83年・戦争と差別に翻弄された日系二世兵士】
写真家 宍戸清孝さん: 「自分たちは(敵性外国人という)汚名を晴らす。それを証明する。戦争を通して証明することの悲惨さですよね。自分たちの子ども、孫、ひ孫が一生涯最低の地位に置かれるのは、とてもプライドが許せなかった」 第二次世界大戦で日系二世兵で組織された部隊は、激戦地のイタリアやフランスに派兵されました。 「GO FOR BROKE(当たって砕けろ)」これが、彼らの合言葉だったといいます。多くの死傷者を出しながら数々の勲章を手にしました。 ■戦争に翻弄された日系二世「ダン・オカ」さんとは 一方、日本語の能力をかわれた日系兵士は、「語学兵」となり両親の祖国である日本と対峙することになりました。日本人捕虜の尋問や暗号解読など情報戦で重要な役割を担ったのです。 写真家 宍戸清孝さん: 「この写真の方はダン・オカさんと言いまして…」 日本人の両親のもとアメリカで生まれた日系二世の元アメリカ兵、ダン・オカさんも語学兵でした。生きていれば104歳。現在の消息をつかむことはできませんでしたが、私たちは今回、アメリカの資料館から1999年に撮影されたダンさんのインタビュー動画を借りることができました。 日系二世元アメリカ兵 ダン・オカさん: 「私は、戦争兵器をつくっている日本の軍需産業に関する膨大な資料を翻訳するセクションにいました。そして、企業を地図上に記載していました」 ■「何のための翻訳だったのか」ダンさんの苦しみ 1943年、ダンさんは、太平洋のキスカ島の作戦に参加した後、ハワイにある諜報センターに配属。日本語で書かれた軍需産業に関する膨大な資料の翻訳を命じられました。詳しくは知らされませんでしたが、空襲の作戦立案に使うためだったと見られます。 日系二世元アメリカ兵 ダン・オカさん: 「私たちは翻訳したものをアメリカの爆撃司令部に渡していました。彼らは(日本の)軍需工場の位置を正確に知っていたはずです。しかし、実際には、日本の主要都市が平らになるほど焼夷弾か何かで破壊されていたのです」
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