福島県南会津町のだいくら、高畑スキー場31年閉鎖へ 利用者減、町長「苦渋の決断」 南郷、たかつえの2場は存続
南会津町の四つのスキー場のうち、会津高原だいくら、北日光・高畑の二つのスキー場が2031年3月末で閉鎖する見通しとなった。町が13日、町議会全員協議会で方針を示した。公設スキー場の経営課題が浮き彫りになった形で、渡部正義町長は「町の財政が縮小する中、苦渋の決断となった」と説明した。 町には、会津高原だいくら、南郷、たかつえ、北日光・高畑の四つのスキー場がある。町によると、スキー事業は町村合併前から、農業や土建業などの冬季の雇用対策として始まったという。現在は指定管理者制度を採用。だいくら、南郷、たかつえは町の第3セクター「みなみあいづ」、北日光・高畑は猪苗代町で観光事業を展開する「DMCaizu(ディーエムシーアイヅ)」が運営している。 南会津町によると、スキー場利用者は年々減少傾向にある。昨年度最も多かった、たかつえは10万6250人で、ピーク時の4割程度。南郷は3万6933人。黒字経営のスキー場もあるが、リフトの修繕費や圧雪車などの経費は町が負担している。町の財政負担を減らすため、以前からスキー場削減が議論されていた。 町は昨年度、県中小企業診断協会に調査を依頼。「集客力のある、たかつえのみを残す」という結果になったが、南郷は地元の季節雇用が多く、地域貢献度が高いとして継続になる。全員協議会で渡部町長は「地域への影響力を考慮し、閉鎖までの期間に幅を持たせた。その間、跡地利用や地域振興策などを検討したい」と述べた。町は今後、町議から意見を募りながら住民説明会を開く方針。 県内では、猪苗代町が箕輪スキー場と併設のホテルプルミエール箕輪の今季の営業休止を発表。天栄村のグランディ羽鳥湖スキーリゾートも今季の営業休止を発表、スキーリゾート天栄は休業状態が続いている。
会津高原だいくらスキー場
1982年12月オープン。さらさらな雪質「パウダースノー」が特徴。昨年度の利用者は6万6884人。
北日光・高畑スキー場
1989年12月オープン。会津高原高畑スキー場から名称を変更している。滑りを録画する「モーションレコーダー」が人気。昨年度の利用者は2万6721人。
福島民友新聞社