大谷選手の試合実況で「生の英語」を 高校教諭が名場面厳選し学習本
「Got it!(やったぞ!)」「Not in time!(セーフだ!)」――。今月、大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の活躍を伝える現地の試合実況を題材にした英語の学習本「大谷翔平のSHO―TIME ENGLISH」(三笠書房)が出版された。「大谷選手の活躍を通じて、生きた英語を学んで欲しい」との思いが込められている。 【写真】自著「大谷翔平のSHO―TIME ENGLISH」を手にする島根県立安来高校の緒方孝教諭=松江市、堀田浩一撮影 執筆したのは、島根県立安来高校(同県安来市)英語科教諭の緒方孝さん。教師歴約30年で、島根県英語エキスパート教員だ。大谷選手の試合をテレビ中継で見続けるなか、選手たちの動きや気持ちを誰にでもわかりやすく瞬時に伝える実況放送に感心し、授業でも活用してきた。 緒方さんはこれまで、英語検定や大学入試の教材なども執筆してきたが、日本人の英語学習の欠点に「生の英語に触れる機会の少なさ」があると感じていた。そんななか昨年11月、大谷選手が2度目となる最優秀選手(MVP)に選ばれた。「大谷選手は日本人にとってホットな人物。シンプルで実用的な英語に触れるよい機会だ」と出版を思い立ったという。 企画書をしたため、複数の出版社に提案。今年6月、三笠書房からの出版が決まった。学習本では、2021年~24年初頭の試合から「あのシーンか!」とすぐに記憶がよみがえる40場面を厳選。「Got him!(打ち取った!)」「Forget about it!(追っても無駄だ!)」など、臨場感あふれる言葉を取り上げた。日常で使う場合の言い回しを解説し、より実用性も高めた。 各場面の試合日や球場、イニング、アウトカウント、走者の状況も掲載している。さらに、その場面に至るまでのチーム、大谷選手の状況も書き添え、「あの時はこうだったな」と、より大谷選手の活躍を振り返りやすい工夫も施した。緒方さんは「私自身、大リーグに感動し、英語力が伸びたと実感しています」と話す。 学習本はコミックサイズで、216ページ。税込み1430円。(堀田浩一)
朝日新聞社