2024年に「平均賃金」を上げた企業はどれくらい?パートタイム労働者でも「賃上げ」はあったのか?
2023年は約30年ぶりの高水準の賃上げが実現したといわれている中、2024年はどうなっているのか気になる方もいるでしょう。物価の上昇が止まらない昨今、賃金が上がるかどうかは多くの家庭にとって死活問題であるといっても過言ではありません。 そこで今回は、2024年に平均賃金を上げた企業はどれくらいあったのかについて調べてみました。パートタイム労働者の賃上げ状況についてもご紹介しますので、参考にしてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
2024年の賃上げ事情! 平均賃金を上げた企業の割合は?
2024年の賃上げ事情については、厚生労働省の「令和6年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」を参考にできます。 同調査によると、2024年中(9~12月予定を含む)に「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」企業の割合は91.2%であったとのことです。2023年は89.1%であったことから、賃上げを実施した、もしくは実施する企業の割合は2.1ポイント増加していることが分かります。 企業規模ごとの割合については以下の通りです。 ・5000人以上:99.1% ・1000~4999人:93.5% ・300~999人:93.4% ・100~299人:90.2% 産業ごとにも賃上げした企業の割合は異なりますが「鉱業、採石業、砂利採取業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「医療、福祉」は100%を記録しています。 一方で「運輸業、郵便業」は74.4%、「生活関連サービス業、娯楽業」は76.2%、「宿泊業、飲食サービス業」は82.2%で、産業によっては賃上げを実施できていない企業もあることがうかがえます。
パートタイム労働者の時給は上がっている?
正社員だけでなくパートタイム労働者も、多くの企業にとって重要な戦力です。とはいえ平均的には正社員と比較して賃金水準が低いことが問題になっていて、パートタイム労働者が活躍できる環境づくりの重要性が課題となっています。2024年においては、増加するパートタイム労働者の時給も上がっているようです。 厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果確報」によると、前年同月と比較してパートタイム労働者比率は0.23ポイント上昇し30.72%になりました。パートタイム労働者の現金給与総額は10万7607円で、前年同月と比較して2.5%増加したとのことです。 一般労働者は37万3250円で前年同月比2.6%の増加であったことから、増加率だけを見ると同じくらいの水準であるといえるでしょう。しかし共通事業所による現金給与総額は一般労働者が3.0%、パートタイム労働者は2.0%の増加で、まだ改善の余地があることも見受けられます。 なお、パートタイム労働者の時給は4.7%増加して1350円になったとのことです。2024年も例年通り最低賃金改定が実施され、厚生労働省の「令和6年度地域別最低賃金の全国一覧」によると、全国加重平均額で改定前の1004円から1055円となり、引き上げ率は5.1%です。