「有名人の知人が多い」夫に疑問を抱いた40歳妻が戦慄した”由緒正しき夫”の「本性」
解散後は別の女性を呼び出し…
解散後、夫は女性を呼び出し男女で入れる高級な個室サウナに入っていき、明け方出てくると女性を車で送って帰宅。サウナ施設に入る前と、別れ際に女性を抱き寄せてキスをしていました。 以上を報告すると、優里さんは「夫と離婚できるだけの証拠をとってください」と依頼。追加調査で、夫は70代の高齢女性と恋人関係にあり、その女性からお金を引き出していることがわかりました。高齢女性は、夫のことを信頼し切っており、夫も“母のように思っている”と言っていましたが、どうも性的なコミュニケーションも取っているようです。 サウナに行った女性は、米国のベンチャー企業に勤務する高収入の女性。彼女は38歳で、夫と結婚すると思い込んでいるようでした。 調査の後、高級住宅街にある自宅は夫の母名義であると告白されます。夫の父と会社を継いだ弟とは絶縁しており、友人たちが話していたように月30万円を弟からもらっているという事実はなく、実は「縁を切っている」と優里さんに語っていた母親から月20万円の小遣いを得ていることも判明。友人たちに実家から縁を切られていることを隠しているということでしょうか。彼らが「親友」だとしたらそれも寂しい限りです。 優里さんは「こんな男と結婚していたんて! でも、旧華族は本当なんですね。それは良かったと思います」と笑顔で話しており、優里さんがこれまでに受けた差別の傷の深さがわかりました。
「有名人と知り合い」をエサに騙していた
夫も優里さんの実家の財産が目当てなので、離婚の交渉は難航。でも「金目当てだ」という録音が物をいい、離婚が成立。 優里さんは、「元夫は有名人と知り合いであることをエサに、女性たちを騙していたんです。有名人ってキラキラしているじゃないですか。私もオンラインサロンに参加していたこともありますし。安易に信じないことが大切だと思いました」と言っていました。 情報産業が発達し、AIが生成するフェイク画像の横行による有名人被害も報道されています。今後、それが犯罪に使われる可能性も大いにある。 今回の夫は“名家の出身”とか“有名人と知り合い”ということそのものは嘘ではありませんでした。しかし、それを意気揚々と語ること自体、信用できないともいえるかもしれません。自分が信頼に足る人物であれば、有名人との写真を見せびらかす必要はあるのでしょうか。有名人だから、有名人の知り合いだから信用できるという短絡的な思考は改めた方がいいと感じました。 有名人の名を語った詐欺は、本当にその有名人がなにかビジネスをやる可能性もあるにもかかわらず、本人の信頼を失わせる許しがたい犯罪です。でも「有名人と知り合いだから自分もすごい」と語る人のことは疑ってかかった方がよさそうです。 そしてもうひとつ、優里さんが囚われている「出自」のことも、今回浮き彫りになりました。優里さんが夫に騙されたのは、これまで差別に遭ってきたことで、結婚によって自分の「出自」を名家のものに変えたいと強く感じたことが大きな理由です。しかし本来苦しむ必要はなく、正々堂々と生きてよいのです。 優里さんは今回の調査を機に、差別問題の本質について考えるようになったそうです。勉強会に参加し、似たような経験を持つ人と繋がって、自分を認めていけるようになっていったとか。差別は何もうまないし、本来差別される必要はありません。むしろ差別する側に問題があるし、差別しない人もこの世にはたくさんいることがわかったといいます。優里さんの心は、今後安定していくでしょう。そうなれば、お互いを認め敬意を払い合える人と、愛情ある関係を築くことができると感じました。 調査料金は40万円(経費別)です。
山村 佳子(探偵事務所代表)