「有名人の知人が多い」夫に疑問を抱いた40歳妻が戦慄した”由緒正しき夫”の「本性」
「有名人と知り合いだと言うから、交際や結婚をしたのに、実態は違うようだという疑問から、調査依頼する人が増えています」とは、キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんだ。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。 【マンガを読む】「売れたいなら倫理モラル良識全部捨てろ」ホストの世界 2024年4月15日、警察庁の発表で「有名人なりすまし広告(SNS投資詐欺)」の被害額が2023年の1年で約38億円だったと報じられた。衣料品通販大手のZOZO創業者の前沢友作氏や、実業家の堀江貴文氏など著名人になりすましたアカウントを作成し、投資などを呼びかけての詐欺行為が横行している被害の規模の大きさが明らかになった。 4月10日には、前沢氏、堀江氏は自民党デジタル社会推進本部などの合同勉強会に出席、「詐欺に自身の名前と顔が利用された」被害の実態を説明し、投資詐欺広告への規制強化を求めた。それを受けて4月19日には自民党の対策検討チームがメタ社の副社長を招いて対策検討チームの会合を開催。「しばらくの間広告停止をすることも検討してほしい」と呼びかけた。 並行して4月18日には投資詐欺広告の横行が放置されているとして、詐欺の被害者がFacebookなどのSNSを運営する米メタ社を提訴すると発表した。 有名人の名前や顔を使い、信頼を高める――犯罪行為の詐欺でなくとも、「有名人と親しい」ことで自分の信頼を高めるような事例もあるのではないだろうか。 今回山村さんのところに相談にきたのは40歳の優里さん。50歳の夫と結婚して半年になる。夫は名家の出で、有名人の知り合いも多いという。しかしなにやらうさん臭いというのだ。
差別に苦しんだ女性が選んだ「由緒正しき夫」
前編「「華族の末裔で有名人の知人も多い」50歳夫の出自に惹かれた40歳妻が抱いた「疑惑」」では優里さんが夫を「怪しい」と感じるようになるまでをお伝えした。 優里さんは、祖父母が日本国籍をもっていなかったことから、差別を受けながら育ったという。さらに祖父は貸金業を営んで財を成したが、そのことを嫌悪する人も多かった。「私は生まれが悪い」という思いから、出自コンプレックスを深めていく。 その結果、「由緒正しい出自の男性と結婚したい」という思いを深めていき、学生時代から婚活を始めていた。 整った顔立ちで、私立大学附属の名門小学校からエスカレータ式で大学を卒業した優里さんは、現在は上場企業に勤務。何もコンプレックスを抱く必要はないのだが、モテながらも名家の男性とは結婚まで至らなかった。 旧幕臣、旧華族など血を引く男性と破談を繰り返し、諦めかけたところで、友人の紹介で夫と知り合ったのだ。 夫の実家は戦前の貴族院議員を務めており、代々化学関連会社を経営している。夫は誰もが知る有名人との複数のツーショット写真があり、優里さんは「この人は本物だ」と結婚をした。 しかし、夫は生活費をくれなかったり、優里さんに100万円の借金を申し込んだりして、実際に話していることと、実情が異なることが結婚半年間で露呈してきた。また夫は認可地に対して積極的ではない。 そんなある日、優里さんは夫のバッグから、明らかに高齢女性用の下着を発見する。また夫は深夜帰宅も外泊も多い。 夫を信じたい気持ちと、疑う気持ちがせめぎ合あった結果、山村さんに調査を依頼したのだ。 山村さんは、は結婚詐欺の調査実績も多数ある。結婚へと駆り立てられ、切羽詰まった女性が、自分の都合のいいように現実を解釈し、嘘を本当だと自らを信じ込ませて不本意な結婚をしたり、金を差し出してしまったりする実態を知っている。優里さんもその状況になっている可能性がある。調査に入ることにした。