小籔千豊が「コヤソニ」を続ける意味、大人たちに否定された過去「見とけよお前ら、という気持ちで」
■ 「見とけよ、お前ら」という気持ちで(小籔)
──『コヤソニ』を始めるきっかけになった「ビッグポルノ」は、いずれ復活はないんですか? 2014年、レイザーラモンのRGさんとの「教育方針の不一致」で解散してちょうど10年。それぞれのお子さまも大きくなってきたら、下ネタラップをやることへの理解も出てくるんじゃないかなって。 そこはレイザーラモン次第ですね。僕は全然、嫌じゃないんで。でもあそこは2人とも今、すごく忙しいですから。ただ、ビッグポルノって最初は会社の人らにもめっちゃナメられていて、そのときの経験や光景をいまだに思い出すことがあります。 ──具体的にどんなことが? 100人キャパの会場でライブをやるときも、「それは自分らでやってくれ」と。グッズをひとつ作るのも細かくチェックする会社なのに、「ビッグポルノ」はそうじゃなかった。もちろん会社としては、わけの分からんもんに関わりづらいですから、そうなるのは当然のこと。しかも下ネタのラップグループなんで。だから当時、会場探しも、小道具の準備もやって、舞台監督さんもこっちで頼んで、照明さんらとの話も全部やりました。その悔しさをモチベーションにして、「いつか3人で1000人以上のところを埋めたるぞ」と目標を立てて、実現させたんです。 ──それが『コヤソニ』をはじめとする、小籔さんの「イベント作り」のまさに原点になった気がします。 「ビッグポルノ」についてはそういう戦いがありました。「大人の世界やから仕方ない」ということもいっぱいありましたし。そのなかでの「見とけよ、お前ら。否定したことを絶対に後悔させたるからな!」という気持ちは、『コヤソニ』の規模が大きくなってもやっぱり持ち続けていますね。 ──『コヤソニ』の成り立ちをあらためてうかがいましたが、そんな2024年開催で特に注目したいのが、9月15日のコヤソニSPセッション(わかざえもん、赤飯、小籔、KSUKE)のライブステージです。 僕以外の3人が在籍していたコロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)が2024年2月に活動終了して。2023年の『コヤソニ』にも出てもらったから、「もう見れへんのか」と残念に思っていたんです。でもそれやったらそれぞれを一人のミュージシャンとして呼んで、「このメンバーでやってくださいという形やったらどうやろう」と反則なことを考えたら、まさかのOKしてくれて。だからあくまで「コピバン」です。 ただ僕は、一人のファンとして普通に3人のステージを見たかっただけやのに、赤飯さんから「小籔さん、ドラムを叩いてください。わかざえもんさんもそう言っています」と頼まれたんです。出演者さんの希望なんでそこは断れへんかったけど、こんなすごい人らと一緒に演奏するのはほんまに嫌なんです・・・。 ──ハハハ(笑)。 最近はずっとその練習ばかりしていて。ですので、みなさんが思っているほど僕はコヤソニSPセッションは楽しみではないです(笑)。僕が今回、ほんまに楽しみなのはコロッケさんです! ◇ 『KOYABU SONIC 2024』は、9月14~16日の3日間、「インテックス大阪」(大阪市住之江区)にて開催される。出演者などの詳細は公式サイトにて、チケット発売中。