再生工事をすれば何十年と住める? 安心して“古民家暮らし”を始める方法
古民家再生はこうして進める
古民家には設計図などの基礎資料がないことが多いため調査に時間がかかることも。一般的な引き渡しの目安は、相談を含めておよそ1年ですが、古民家の規模や工法によって期間は大きく変わります。ここでは大まかな再生の流れをご紹介します。 1. 調査期間 古民家が決まったら専門家に相談して、調査・企画業務契約を結びます。建物の用途、規模、予算、敷地の諸条件など、いろいろな角度から調査・検討をしてもらい、現状の図面を作成してもらいます。 さらに、どのように使うかの希望を簡単な計画案にしてもらい、その概算予算計画書が作成されます。期間は1~1.5カ月くらいが目安です。 2. 基本設計・実施設計期間 調査・企画内容がよければ設計・監理契約を設計者と結び、基本設計に入ります。具体的な要望を打ち合わせして、図面に反映。基本設計図書が作成されます。次に、施工に必要な詳細図面が作成され、実施設計図書として提出されます。期間は3~4カ月が目安です。この完成設計図書で、数社の施工会社に見積もりをしてもらいます。 3. 工事期間 提出された見積書を検討、1社を選び、工事請負契約を結んで工事がはじまります。設計者は設計図書通りに工事が行なわれているかを監理し、その都度、建築主に報告します。工事期間は、短くて4カ月、普通は6~8カ月かかり、1年以上かかる場合もよくあります。相談から完成まで、1~1.5年はかかると見ておいたほうがいいでしょう。 \Key Word/ ・現地再生 現地再生は古民家がある場所で再生、修繕工事する再生方法です。移住や商業施設としての利用などさまざまなケースがあります。たまに、ほとんど手を入れなくてもいい民家もありますが、大抵は調査、修理などが必要です。 ・移築再生 移築再生は建物のみを引き取り、解体し新しい場所に移す再生方法です。土地は新たに探す必要があります。現地再生より時間がかかることが多々ありますが、比較的自由に減築、増築ができます。 ・古材利用 古材、建具などを現在の家に利用し、古民家の雰囲気を演出する再生方法。店舗やマンションでもインテリアとして利用できます。