セルフ給油で気になる「最後のタラっ」 ノズルからちょっと垂れるガソリンって気にしなくてOK?
ガソリンが溢れる仕組みとは
自動車のオーナーなら給油の経験がないという人はいないでしょう。 セルフ給油の解禁が行われた1998年以前ではドライバー自身が給油機を操作することはありませんでしたが、セルフ店舗の割合が全体の半数近くになっている昨今では、自身で給油を行った経験があるという人はかなりの割合に増えていることと思います。 【画像】ワイン製造の絞りカスから作られる燃料があった セルフスタンドは給油の知識があまりない人にも問題なく使えるように、給油機自体の操作方法は、給油ノズルをクルマの給油口に挿入してレバーを引くだけと、いたって単純に作られています。 しかし、静電気除去シートに触れてから行わなければならないということや、自動停止の仕組みやレバーの引き方、そして万が一ガソリンを噴き出させたり溢れさせてしまったときなどの細かいイレギュラーな事態についての対処方法を把握している人は意外と少ないのではないでしょうか。 ここでは、そのイレギュラーなケースのなかでも、比較的多くの人が経験していると思われる、給油が自動停止したあとにノズルを抜く際のガソリンの『お漏らし』について、どうするのがベストなのかをすこし掘り下げてみたいと思います。
■“お漏らし”はなぜ起こるのか?
給油が終わって給油ノズルを抜くときに、ノズルの先からガソリンが「タラッ」と垂れてクルマのボディを汚してしまうのはそれなりに起こるケースだと思いますが、体験した身になると割と面倒に感じますよね。 あの現象はなぜ起こるのでしょうか? あの「お漏らし」のガソリンは、主に給油ノズル内に残ったものが時間差で流れ出てきたことで発生します。 給油ノズルはレバーを引くと内部のバルブが開いてガソリンが流れ出るようになっています。水道の蛇口を捻るのと同じように、レバーを戻せばガソリンの流れは止まります。 そして、ノズルの先端に備えられた満タン検知機構によって、レバーを握った状態でも強制的にバルブが閉じるような仕組みになっているので、満タン状態以上には給油できなくなっていて、給油口からガソリンが溢れることもないというわけです。 そして、「お漏らし」が発生してしまう原因は、そのバルブがノズルの奥のほう、握るグリップ部のすぐ前あたりに備わっているためです。 仮にバルブがノズルの先の方に付いていれば、ガソリンの流れを遮断したあとにノズルの内部に残る量はごくわずかで済みますが、実際はノズルの20~30cm奥にあるので、遮断したあとでもノズルのなかにガソリンが残ってしまいます。 この残った量は数秒待てばクルマの給油口のほうに排出されますが、急いでいたりですぐに引き抜くと、排出し切れなかったぶんが抜いたあとに溢れて「お漏らし」になってしまうというわけです。 ちなみに、ノズルの向きや、ノズルの先端が給油口のなかのガソリンに浸かっていたりする場合は、気圧の関係で抜けづらい状態になることもあるので、慎重を期すならばノズルを少し引いた状態で排出されるのを待ったほうがいいでしょう。