セルフ給油で気になる「最後のタラっ」 ノズルからちょっと垂れるガソリンって気にしなくてOK?
■“お漏らし”してしまったらどうしたらいい?
では、うっかり「お漏らし」をさせてしまったときはどう対処するのが正解でしょうか。 まずは給油機に備え付けられているウエスや雑巾を探して、速やかに拭き取りましょう。 ここでもっとも防がなくてはならないのは、引火による火災です。意外と知られていませんが、ガソリンが液体の状態だと、そこに直接火を押し付けてもじつは引火しづらいんです。引火はガソリンの液表面から気化した部分に高熱や火花が触れた際に起こります。 つまり、「お漏らし」でクルマのボディ表面に薄くガソリンが広がった状態は気化が促進されやすく、その気化したガソリンに引火しやすい状態になっています。 ガソリンを拭き取ることで、気化する要因を取り除けます。 そして、ガソリンには樹脂に悪影響を及ぼす性質があるので、クルマの塗装面が侵される心配もあります。 古いクルマの給油口の付近の塗装面が茶色く変色していたり、ツヤが無くなってしまっているケースはよく見かけますが、あれは、お漏らしや気化したガソリン成分によって長い期間でじわじわと侵された結果です。 とはいえ、クルマの塗装は耐油・耐薬品性能があるものが使われているので、少し垂れてしまっただけではすぐに塗装が侵されてしまうことはありません。 ただ、拭き取らずにそのまま放置すると、表面のクリア層がやんわり侵されてしまい、曇りが起こることもあります。一見乾燥したように見えても、ガソリンの諸成分は塗装面に残留していて、その成分がじわじわと塗装表面を侵してしまうのです。 その場合の対処法としては、出来るだけ早く洗車することがベストでしょう。 手軽にウエットティッシュなどで拭き取るだけでもキレイになった気になりますが、ガソリンの油分や添加剤などの成分は残っている可能性があります。洗剤やカーシャンプーなどでしっかりそれらの成分を落としてやるのが最善の方法です。 まずは給油が終わった直後に慌てずに一呼吸入れてあげることを心がけて、お漏らしさせないようにしましょう。
齊藤優太