AIカメラで函館山の混雑状況をリアルタイム配信
IT(情報技術)関連企業の「ネットリソースマネジメント(NRM)」(本社・東京)と「ハコレコドットコム」(函館市五稜郭町、山田圭飛代表)が運営する「ワークラボ函館」は、AI(人工知能)を活用し人流を最適化する総合プラットフォームを運営する「バカン」(本社・東京)の協力を得て、AIカメラを用いて函館山周辺の混雑状況をリアルタイムに配信するサービスを9日に開始した。混雑状況がリアルタイムで可視化されることで、待ち時間の軽減や混雑の緩和などが期待される。
函館市は、人気観光地である函館山周辺の混雑緩和を目的に、混雑状況配信システムの整備を行うことで市内を訪れる観光客の満足度向上を目指そうと、今年度、事業を担う委託業者のプロポーザル(提案型公募)を実施。昨年8月6日に開かれた審査委員会で、評価基準に基づき審査を実施した結果、NRMを受託候補者に選んだ。 AIカメラで混雑検知を行う場所は屋上展望台、展望スペース(漁火公園)、山頂駐車場、山麓観光駐車場(2カ所)、登山道とし、カメラで検知した混雑状況を「大混雑」「混雑」「やや混雑」「空いています」の4分類で示す。このほか函館山ロープウェイの山頂・山麓駅の混雑状況を加えた情報をウェブサイトで配信するほか、JR函館駅、アクロス十字街のデジタルサイネージでも表示する。 この取り組みにより、現地を訪れる前にスマートフォンなどウェブ上で函館山周辺の混雑状況を確認できるようになり、待ち時間の軽減や混雑の分散に加え、これまで以上に高い体験価値の提供と満足度の向上を図る。 NRMは今後、「取得データをもとに混雑状況の予測の配信も行うことで、計画的な観光を可能とし、利用時間帯の分散や、さらなる観光満足度の向上や地域活性化を目指したい」としている。
函館新聞デジタル