その名は「アインPay」東村山のデジタル地域通貨 志村けんさんギャグとの関係は?
レジでスマートフォンをかざせば現金要らずで買い物ができる電子マネー。支払い時に鳴る「~~ペイ」といった電子音もすっかり世の中に浸透して久しい。なかには地域振興を企図し、特定の自治体でのみ使えるデジタル地域通貨も都内各地で始まっており 、東京都東村山市では昨年12月から「アインPay」と呼ばれるサービスが導入された。ところで「東村山」といったら思い起こされるのはあの人の名前。それに加えて「アイン」とはどういう意味なのだろう。関係者を直撃すると…。 【写真】加盟店には「アインPay」で決済ができることを示すポスターやステッカーが貼られている ■名誉市民に選定 先日、東村山市を訪れた際、飲食店の入り口にフシギなステッカーを発見した。カエルのようなイラストとともに示されているのはアインPayの文字。試しにスマホで検索してみると特設サイトが現れ、「東村山市内のお店でおトクに使えるキャッシュレス決済」と、そのコンセプトが目に飛び込んできた。 さて、その東村山市といえば、昭和51年にTBS系の「8時だョ!全員集合」で同市出身の伝説的コメディアン、志村けんさんが「東村山音頭」を披露したことで全国にその名を知られるようになった。令和2年に志村さんが逝去すると、市はそれまでの功績をたたえて名誉市民に選定。現在、西武線の東村山駅前には有志らによって決めギャグ「アイーン」のポーズを取る志村さんの像が設置され、まちのシンボルとして定着している。 このアインPayと、名誉市民が放つ「アイーン」。やはり、そこにはなんらかの関連性があると考えるのが自然なのではないだろうか。実際、利用者の一人も産経新聞の取材に「まあ、そうとしか思えないですよね」と即答した。ところが、同市シティセールス課長の杉山健一さんに問い合わせると「志村さんのことは、当然リスペクトしていますが」と前置きしつつ「アインPayは『地元愛』の『アイ』と、通貨を示す『コイン』を掛け合わせた、あくまで私たちが生み出した『造語』です」と言って譲らない。 やや引っかかるものを感じつつも、物は試し。記者もアインPayのアプリをダウンロードしてみた。専用の金融機関ATMで2千円分をチャージすると自動的に20円がポイントとして付与されており、確かに使う側にとってはおトク感がある。杉山さんによると、店側も売り上げにつなげようと、3月の時点で市側の予想を上回る400超の店舗がサービスに加盟申し込みをしたという。