更年期世代はぜひやって!膝と股関節を守るための3つの内転筋エクササイズ
更年期を迎えると、女性ホルモンの減少によって筋肉量が減りやすくなります。特に骨盤周り、股関節周りの筋肉が弱ると、尿漏れにつながったり、O脚などが進みやすくなります。こうした状態になるのを防ぐために、ぜひ鍛えておきたい筋肉があります。今回はその筋肉について、3つの簡単にできる運動とともに紹介します。 ◆写真で詳しいやり方を見る|更年期世代はぜひやって!膝と股関節を守るための3つの内転筋エクササイズ ■鍛えるべきは内ももの「内転筋群」 40代、50代の女性が絶対に鍛えておいた方がよい筋肉のひとつが「内転筋群」です。内転筋群とは、太ももにある大腿骨と骨盤をつなぐ筋肉です。大腿骨の内側、内ももの筋肉のことで、両脚を閉じるときに主に使われます。 内転筋群が弱ると、脚をしっかりと閉じにくくなり、膝のゆがみや痛み、O脚、股関節のゆがみや痛みにつながるほか、尿漏れにもつながります。そのため、内転筋群を鍛えることで、膝や股関節のゆがみが正され、尿漏れも改善する可能性があります。 60代以上の女性に聞いたところ、日常生活がうまく送れなくなる理由で多いのが、膝の痛み、股関節の痛みでした。内転筋群を鍛えることが、そうした痛みの予防にもつながります。 そこで今回は、内転筋群を鍛える運動を3つ紹介します。ふだん運動をあまりしない人でも無理なく鍛えられる簡単な方法なので、ぜひチャレンジしてみてください。 ■内転筋を鍛える①片脚倒し運動 1.マットの上に仰向けになり、右脚を伸ばす。左脚の膝を立てる。 2.左足のつちふまずの側面が、右脚の膝の内側にあたる位置にくるよう、左足を置く。 3. 左膝を内側(右脚のほう)に倒す。このとき、左のお尻はできるだけ浮かないよう、床につけた状態で、脚の付け根から動かす。 4. 左脚を元の位置に戻す。 5. 10回行ったら、左右の脚を入れ替えて同様に10回行う。 とても簡単な動きですが、太ももの内側の付け根の辺りの筋肉がしっかり使えていることを感じられるでしょう。脚だけを付け根から動かすことで、股関節の周りの筋肉を鍛えてあげることがポイントです。 ■内転筋を鍛える②カエル脚の閉じ開き運動 1.仰向けに寝て、膝を曲げる。 2.膝を曲げたまま、足の裏どうしをくっつけて、膝を外股に開く。 3.両膝を合わせて閉じる、開くを10~20回繰り返す。 両膝を閉じたときに、軽く膝どうしを軽くタッチするのではなく、しっかり膝と膝をぎゅっと押し合うようにして閉じることがポイントです。そうすることで、太ももの内側が鍛えられます。終わったら、少し内ももをパタパタたたいて、ほぐしてあげましょう。 ■内転筋を鍛える③横向きで脚上げ運動 1.横向きに寝る。下側の腕は、肘を曲げて写真のように床につく。 2.上側の脚を曲げて、足を下の脚の膝の前あたりにつく。 3.下の脚をゆっくりと上に上げて、下ろす。10~20回程度行う。 4.脚を変えて、同様に行う。 小さい動きですが、下側の脚の内ももがしっかり使われていることを感じられる運動です。 ふだんの生活のなかで、太ももの内側の筋肉を意識することはほとんどありません。そのため、今回紹介したような運動を行うと、とてもきつく感じる人もいるでしょう。ただ、繰り返すことで、自分でも明らかな変化が感じられるくらい、筋力がついてくるのがわかります。また、脚の形も変化し、膝も正しい方向をむきやすくなるため、美脚になる効果も期待できます。 筋肉は何歳からでも鍛えることができます。まずは隙間時間やテレビを見ているときなどにこの3つの運動を続けてみましょう。 ライター/永田京子 NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。
永田京子