ブラックフライデー のオンライン売上が過去最高の108億ドルに モバイルとAIが牽引
記事のポイント ブラックフライデーのオンライン売上が10.8億ドル(約1兆6280億円)に達し、前年から10.2%増加。モバイルとAIツールが成長を支える。 50%割引が消費者行動を引き寄せた。特にアパレル、ジュエリー、ヨガウェアで来店者数が増加。 「価格に左右されない」消費者行動とBNPL利用増が目立った。高額商品やアクセサリーへの消費が目立つ。 アメリカの消費者は、今年のブラックフライデーにオンラインで過去最高の108億ドル(約1兆6280億円)を消費し、2023年から10.2%増加した。Adobe Digital Insightsのデータによると、モバイル売上は全オンライン取引の55%を占め、これがオンライン成長を支える要因となった。一方、インサイト・エージェンシーのRetailNextによると、実店舗への来店者数は3.2%減少し、特に中西部では7%の大きな落ち込みが見られた。 「消費者はモバイルショッピングやチャットボットの使用に慣れてきており、それがブラックフライデーのオンライン成長を支えた」と、Adobe Digital Insightsのリードアナリストであるヴィヴェク・パンディア氏は語った。「eコマース、ソーシャル、モバイルをシームレスに統合できるブランドが今年の成功を収めるだろう」と続けた。
ホリデーショッピングを後押しする「AI」と「割引」
アドビ(Adobe)によると、小売サイトはChatGPTのようなAIツールからのトラフィックが1800%増加し、消費者が最良の取引を見つけ、商品を探すために技術に頼る傾向が強まっていることが示された。家電小売大手のベストバイ(Best Buy)は、強力なモバイルショッピングプラットフォームと早期のセールが功を奏し、ブラックフライデーのオンライン売上が前年比で大幅に増加した。 「重要なのは、もっともお得な買い物をすることだ」と、預金管理アプリのクレオ(Cleo)のユーザーリサーチ責任者であるサラ・デイヴィス氏は、ホリデーシーズンの消費者行動について語った。同氏は、クレオの調査データを引用し、今年、Z世代の買い物客のほぼ3分の2が、Amazonプライムデーやブラックフライデーなどのセールイベントを利用してホリデーギフトを購入したことを示した。 また、経営コンサルタント会社カーニー(Kearney)のパートナーで米州小売業責任者のマイケル・ブラウン氏は、大幅な割引が消費者の購買意欲を引き出す重要な要素だと強調した。「消費者はハロウィン以来、30~50%の割引で買い物をしている」と述べ、「50%の割引が、このホリデーシーズンに消費者の興味を引く魔法の数字となっている」と説明した。 フォーエバー21(Forever 21)とアーバンアウトフィッターズ(Urban Outfitters)は、いずれも50%の大幅な割引を提供し、実店舗の来店者数が前年より増加したと、店舗内データ分析プラットフォームのリテールネクスト(RetailNext)のデータが示している。婦人アパレルのアンテイラー(Ann Taylor)と、そのカジュアルラインであるアンテイラー・ロフト(Ann Taylor LOFT)も50%の割引を実施した。さらに、ジュエリーブランドのケンドラスコット(Kendra Scott)とヨガウェア・ブランドのファブレティクス(Fabletics)はホリデーシーズンに合わせたアパレルとアクセサリーで消費者を引き付け、来店者数が増加した。百貨店メイシーズ(Macy’s)は、選定されたアパレルの最大75%の割引を実施し、前年に比べて来店者数が増加した。