小泉氏と安倍氏、2人の宰相の強みとは 〝言葉の天才〟と「聞く耳」を持った人 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<28>
首相になった安倍さんは自身の信条に従って行動しますが、僕はこのまま突き進むと、アメリカが「安倍政権を潰しにかかるのではないか」と心配して率直に安倍さんに言いました。
安倍さんは、人の意見に対して「聞く耳」を持った人です。それも真摯(しんし)に聞くから、僕もホンネで話す。度々、首相官邸などで安倍さんに会っていたし、電話は、しょっちゅう。よく意見交換しましたねぇ。
《集団的自衛権の解釈変更を安倍政権(第2次)がやったことはすでに書いた。選挙に勝ち、株価を上昇させ「1強」といわれる盤石な政権だったからこそ可能だった》
まさに、日米安保の中で日本が主体性を発揮することにつながる。僕は、これをやった安倍政権(※特に第2次)を大いに評価していますよ。
ただ「安倍1強」となって、異議を唱える議員がいなくなったり、「アベノミクス」があまりうまくいっていなかったことは、安倍さんも分かっていたんじゃないかなぁ。
安倍さんの再々登板があったかどうかは分かりません。でもあの最期(令和4年7月、遊説中に銃撃され死亡)だけは…。(聞き手 喜多由浩)
【関連記事】
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<27>「政治とカネ」で国民の怒り爆発 「数の論理」で石破さんは総裁選とは正反対に
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<26>3首相のクビは取ったけれども…サンプロ現象も手法に限界「批判するだけではダメだな」
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<25>「椿発言」と僕の主義主張は違う 番組打ち切りに「僕があまりにも傲慢になっていた」
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<24>タブーなし…オウム真理教も登場 放送禁止用語で〝挑発〟や右翼団体代表らの激論も
- 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<1>引退するつもりはサラサラない 「老害」批判は当然 ネット炎上ありがたいこと