「豚肉はもう高級食材」歴史的円安で“家計の味方”豚肉の価格高騰止まらず…ラーメン店は再値上げを決断【news23】
■“庶民の味方”豚肉高騰いつまで? 藤森祥平キャスター: きょうはラーメン店を取材しました。ラーメン一杯の値段はいくらまで許容できるかお聞きしています。1000円までなら、という方が一番多いようです。 藻谷浩介さん: 少し前までだと500円という感覚でしたが、今だと千数百円までですかね。ラーメンというのは、本当に手がかかった美味しい料理ですし、贅沢品なので僕は年に数回しか食べませんが、毎週食べてる人にとってはきついですよね。 小川彩佳キャスター: 私は普通のラーメンよりもカップ麺をよく食べますが、それも結構高くなってるな、という実感があります。ラーメンも、価格受け入れていかなければいけないのかな、という気はしています。 藤森キャスター: 人件費や輸送費などコストが増える中で、豚肉は海外産だけではなく国産の豚肉の価格上昇が続いています。2024年に入り、卸売り平均価格が1㎏あたり400円台でしたが、いまは842円まで来ている。 広島大学大学院統合生命科学研究所の長命洋佑准教授によりますと、「高騰のワケは世界的な飼料代の上昇。国産・海外産ともに高値は続いていく」と話しています。 小川キャスター: 「豚肉が高級食材に」という声もVTRにありましたが。 藻谷浩介さん: 元々、海外の輸入品の方が安かったが、円安になると輸入品が高くなる。そうすると「国産を使えばいいじゃないか」と僕ら素人は思いますが、日本の場合は使っている飼料や肥料がほぼ全量輸入です。 私、25日夜にアメリカのアイオワ州から帰国しました。これはフィールド・オブ・ドリームスという有名な場所の写真です。トウモロコシ畑ですが、この季節にしてはすこし背が低いんです。1か月ぐらい遅れてるらしいです。 ここはアメリカ最大の飼料生産地で、トウモロコシの99%は飼料などに使われています。日本に送られてきて、豚や鶏、卵の原料になっている。これが値上がりすると当然、国産の畜産物は全部値上がりしてしまう。円安ですから、誰が儲かってるわけでもない。 なので日本国内でトウモロコシをもっと作らなければいけないわけですが、非常に残念なことに日本は品種改良を長らくやってきておらず、日本はお米の国だ、とトウモロコシをないがしろにしてきたために、種を毎回アメリカから買わないと作れない。 根本的に農業のやり方を、美味しい日本の国産肉を守るためにトウモロコシをちゃんと作る、水田の耕作放棄地をトウモロコシ畑に変える、ということを全国的にやらなければいけないんです。そういう運動もしてるんですけど、なかなか広まりません。