ヒョンデ「IONIQ 5 N」vs 日産「アリア NISMO」圧巻のパフォーマンス性能を纏ったスポーツEV対決
国内メーカーだけでなく、海外メーカーも続々と最新モデルを投入し、選択肢が広がってきた電気自動車。中でも注目は、本格的なスポーツマインドが注入された高性能モデル。 その代表格とも言える2台を紹介しよう。 【写真21枚】スポーツ感あふれるデザインにワクワク!ヒョンデ『IONIQ 5 N』と 日産『アリア NISMO』のディテールを写真で見る
ヒョンデ『IONIQ 5 N』vs 日産『アリア NISMO』
電気自動車(以下、EV)が登場した時、小型のボディーに電池を積んで街中を短時間、短距離で走るコミューターが主流だった。その後、電池の開発が進んで大型のSUVにもEVは拡がった。車種もSUVだけでなく、フォーマルセダンにまで拡大している。 ただ、いずれも実用性を重視したクルマが中心だったが、最近になってスポーツ性能の強化という新たなトレンドが芽生えつつある。そしてついに、ファミリーカーをベースにしたメーカーチューンのスポーツモデルが続々登場。日産は『アリア』をベースに、ヒョンデは『IONIQ5』をベースに、メーカー系列のチューナーがモータースポーツで培ったノウハウを最新EVに注入し始めた。 ヒョンデは、以前からWRC(世界ラリー選手権)にワークスチームを投入しトヨタと好勝負を繰り広げているが、同時に『IONIQ5』の開発をドイツのニュルブルクリンクで行なってきた。今回、投入した『IONIQ5 N』は、その走り込みの集大成とも言うべき完成度の高いスポーツモデルだ。 一方、日産のNISMOは、レースを頂点としたモータースポーツ部門の元締め的な存在。『GT-R』や『Z』、スーパーフォーミュラの開発で、世界トップレベルの技術を持っており、今回の『アリア』も今や日産車の最上級モデルのひとつとして、ラインアップされている。今回はこのスポーツEVを乗り比べたが、性格は180度異なるぐらい違っていた。 『IONIQ5 N』は運転席に座った瞬間から、ノーマル仕様とは全く別の世界が展開されていることがわかった。ハンドルスポークにはスイッチやダイヤルがいくつも並び、それぞれを調節しながら走るというスタイル。 最新のGTカーやフォーミュラEのマシンのような雰囲気で、前後輪の駆動比率、ブレーキの回生制動、左足ブレーキモードなどが調整できる。さらに目の前のメーターには、EVなのになぜかエンジン回転計を表示できるようになっており、とにかくレーシングカーに近い感覚のEVに仕上がっていることが一目瞭然だ。 『アリア NISMO』は『IONIQ5 N』に比べるとおとなしい印象があるが『アリア』シリーズの最上級車らしい品質の追求とチューニングが施されている。