須藤早貴被告『無罪』判決言い渡しに「須藤被告は涙を流し弁護人がハンカチを渡す」“紀州のドン・ファン”殺害事件 弁護側「うすい灰色をいくら重ねても黒にはならない」
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家・野崎幸助さん(当時77歳)を殺害した罪に問われている元妻・須藤早貴被告(28)の裁判員裁判。 【写真】須藤早貴被告に『無罪』 12月12日午後1時40分、和歌山地方裁判所は須藤被告に「無罪」を言い渡した。 須藤被告は判決を言い渡された瞬間、裁判官の方を見つめ、涙を流し、弁護人がハンカチを渡す場面が見られた。 争点となっていたのは、野崎さんが本当に殺害されたのか、そして殺害されたとして犯人が須藤被告なのかということ。 直接的な証拠がない中、検察側は28人もの証人尋問を実施するなどして無期懲役を求刑し、弁護側は「うすい灰色をいくら重ねても黒にはならない」と無罪を主張していた。
■「紀州のドン・ファン」野崎幸助さん 55歳年下の須藤被告と結婚後約3カ月で死亡
須藤早貴被告(28)は6年前、和歌山県田辺市で元夫で資産家の野崎幸助さん(当時77歳)に覚醒剤を摂取させ殺害した罪に問われている。 野崎さんは地元の中学校を卒業後、金融業や酒類の販売、不動産事業などで成功し、一代で億単位の財産を築きました。多くの女性と交際してきたことを赤裸々に語り、スペインの伝説上のプレイボーイになぞらえて、「紀州のドン・ファン」と自ら称していた。 2018年、76歳の時に、55歳年下の須藤被告と結婚。 しかし、結婚からおよそ3カ月後、野崎さんは自宅で死亡した状態で見つかった。
■取材には殺害否定も 死亡から3年後に須藤被告が逮捕・起訴される
死因は「急性覚醒剤中毒」。 他殺なのか、自分で覚醒剤を服用したことによる事故死なのか。 疑惑の目は、事件当時、家にいた須藤被告に向けられ、FNNの単独取材では殺害を否定していた。 須藤早貴被告(2018年):本当に殺してないです。社長の前の女の人が覚醒剤をやっていたと、家政婦の方から聞いています。 捜査は難航し、事件から3年後の2021年、野崎さんに致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、須藤被告が逮捕・起訴された。
■「私は無罪です。私は社長(野崎さん)を殺していません」須藤被告は初公判で無罪主張
さらにそれから3年、2024年9月にようやく始まった裁判の争点は2つ。 <争点(1)>野崎さんは本当に殺されたのか。 つまり「殺人事件なのか」という「事件性」。 <争点(2)>殺人事件だとして須藤被告は犯人なのかという「犯人性」。 初公判で須藤被告は「私は無罪です。私は社長(野崎さん)を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません」と無罪を主張。 検察側は冒頭陳述で、「完全犯罪により莫大な遺産を得るため、致死量の覚醒剤を摂取させて殺害した」と指摘。 一方、弁護側は「野崎さんが自分の意思で飲んだことは完全に否定できるか」などと反論した。
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